大人気の天体ショー「皆既日食」。
2009年には、日本の一部でも観測することができ、大きな関心を集めました。
その皆既日食が、ちょうど1年後の2017年8月21日(日本時間では22日)にアメリカで見られるのをご存じですか?
しかも、皆既日食が見られる地帯がアメリカ大陸を横断するため、多くの地点から観測に最適な場所を選べると話題になっているのです。
8月下旬といえば、日本では夏休みをとる方も多く、お休みの予定を立てやすい時期ではないでしょうか。
1年後に向けて、計画を立てるのに役立つヒントをお届けします!

夜のような暗闇、美しいコロナ、ダイヤモンドリング……あなたは「皆既日食」を見たことがありますか?


「2017年アメリカ皆既日食」は、どこで起きる?

2017年8月の皆既日食は、北太平洋のほぼ中央からスタート。西岸のオレゴン州からアメリカ大陸に「上陸」し、
アイダホ州、ワイオミング州、ネブラスカ州、ミズーリ州、ケンタッキー州、テネシー州、サウスカロライナ州を約1時間半かけて「通過」していきます。
(ちなみに、ハワイ、北アメリカ、中南米、ヨーロッパの一部などで「部分日食」が観測できます)
それぞれの地点で、何時何分に日食が起きるかは異なります。
興味のある方は、インターネットなどで調べてみてくださいね。

2017年の皆既日食は、アメリカ合衆国を西海岸から東海岸に向けて皆既帯が横断!

2017年の皆既日食は、アメリカ合衆国を西海岸から東海岸に向けて皆既帯が横断!


これだけは忘れないで! 日食グラス&暑さ対策

2009年の皆既日食や2012年の金環日食の際に、家電量販店などの店頭でよく見かけた「日食グラス」(遮光グラス、減光フィルター)。
日本で観測できない日食の場合、あまり出まわることがないようです。
お店やメーカーに問い合わせるなどして、早めに手配しておきましょう。
また、絶対に「太陽を裸眼で見ない」こと。
太陽の明るさは、満月の約40万倍。月によって99.9パーセント隠れても、まだ満月の約400倍も明るく光っている、それが太陽です。
「ほとんど隠れているから」と油断していると、目に決定的なダメージを受けるおそれがあります。
赤外線は目に見えず、網膜や水晶体には熱さや痛みを感じる神経がないため、ダメージに気づきづらいそうです。
サングラス、黒い下敷き、現像済みのフィルムなどは、赤外線から目を守ることはできません。
必ず「日食グラス」を使用してくださいね。
太陽の欠け始め(第1接触)から、欠け終わり(第4接触)まで、数時間かかる皆既日食。
当たり前ですが、太陽が照りつける中で行動することになります。
水分補給など、暑さ対策も忘れずに!

日食グラスを使用する際は顔にぴったりつけ、側面から光が入らないように

日食グラスを使用する際は顔にぴったりつけ、側面から光が入らないように


晴天率、機材の有無、コロナ……観測場所をどう選ぶ?

皆既日食となると、やはり気になるのは「晴天率」。
ただし、あくまで過去の統計データですから、晴天率がよいはずの場所が当日に曇り、というのもよくあることです。
観察や体験を重視するのか、写真や動画の撮影を重視するのか……それによっても、観測場所は変わってきます。
自分にとって「最適」な場所とは?  考えるためのヒントをご紹介します。
・お気に入りの街や美しい風景をバックに、皆既日食を体験したい
(日食がアメリカ大陸を横断するため、多くの都市や国立公園などから観測場所を選べる)
・撮影などの機材を持ち込むため、運搬や観測のサポートが充実したツアーで行きたい
(機材の重量制限枠、観測場所で受けられるサービス、観測リハーサルの有無などもチェック)
・空の色や風の変化、動植物の様子など、周辺の状況も満喫したい
(草原やクルーズ船上など、周囲が開けた場所がおすすめ。地平線付近が夕焼けのようになる現象などを観察できる)
・美しいコロナが観測したい
(太陽高度が高いと、大きく広がったコロナが観測できる。飛行機での観測は、空気が薄く散乱が少ないため美しいコロナが見られる)

短時間の天体イベントなので、観測したいものを絞るのも大切!

短時間の天体イベントなので、観測したいものを絞るのも大切!


広いアメリカ大陸。予報が悪ければ、晴れそうな場所に移動しよう!

2017年アメリカ皆既日食の、最大のメリットとは?
それは、観測を予定していた地点の天気予報がよくない場合、移動が比較的容易にできる、ということ。
鉄道、飛行機、レンタカーなど、いざという時に移動できる手段を用意しておくと安心です。
(ツアーなどに参加する場合は、観測場所の変更が難しい場合もありますので、事前に確認しておきましょう)
皆既日食は、世界じゅうからファンが集まるビッグイベント。
周辺の混雑や、ホテル代金・航空運賃などが割高になりますし、多くの人びとが押し寄せることで、地元の方々と軋轢が生じるケースもあります。
よって、個人旅行で行く場合も、ツアーで行く場合も、マナーを守って楽しく過ごすことが大切です。
次に日本で皆既日食を観測できるのは、2035年。だいぶ先のことになってしまいますよね。
「思い切って来年アメリカに行こうかな?」と思っている方、ぜひ今から計画してみてはいかがでしょうか?
参考:片山真人「これから見られる日食と月食データブック 2012〜2050」(誠文堂新光社)
大越治・塩田和生「日食のすべて」(誠文堂新光社)