「そして、誰もいなくなった」
(日曜よる10時30分/日本テレビ/脚本:秦建日子 演出:佐藤東弥 出演:藤原竜也 玉山鉄二 二階堂ふみ 伊野尾慧(Hey! Say! JUMP)ほか)


え。
第一章完結で、話が急展開。
まずはどんどん転がっていくストーリーを追っていこう。

襲ってきた旧友・斉藤(今野浩喜)を逆に刺してしまった藤堂新一(藤原竜也)を抱きしめる日下(伊野尾慧〈Hey! Say! JUMP〉)、ココア好きで、お金欲しさにパーソナルナンバーを売ってしまったというパーソナル情報を語る。

よって日下は偽名。「自分で決めた名まえのほうが気持ちいい」という日下と、すずかぜまこと はまだやまさとし やまだたろう・・・と名づけトークで気持ちが冷静になった藤堂。警察に行こうとしたら、もくもく煙が部屋に充満して、気を失ってしまう。

伊野尾慧〈Hey! Say! JUM〉の妙に淡々としたどんな時でも緊迫感のない喋り方が逆にミステリアス。無邪気な少年のようで、実はいろんなことを考えているのではないかと気になってならない。明からさまに黒幕候補である。

その頃、公安では斉藤の死体がなくなっていた。

早苗(二階堂ふみ)の元には尾行がいっぱい。
尾行でバナナ食べてたら目立つと思うけれど・・・。ほかにも、公安のひとたちの会話にちょいちょい笑いをはさんでいくなど、台詞面でもビジュアル面でも密度を濃くしようとスタッフが一丸となって頑張っていることがわかる。

早苗の回想で藤堂とのなれそめを説明。2年前、五木(志尊淳)からデートに振られた店で、カウンターで独り言を言っている藤堂に出会ったのだった。
お店で大声で独り言の藤堂、早苗とつきあってそういう変人キャラがやや薄らいだのね、よかったよかった。

藤堂が頭のいいキャラであることを視聴者に念押ししたところで、藤堂のターン。いつの間にか白い部屋に閉じ込められている。そこには、自分が誰かもわからない女・君家砂央里(桜井日奈子)もいた。

そして、クイズがはじまる。並んだ数字の中から仲間はずれを見つけると、部屋をでられるかも?
まず、砂央里が予想した数字を試すことになり・・・。

藤堂、この日3回目の「え」を強めに言い、その後、「え」「え」と連発し、
キーの「E」(え)を押す。すばらしい、「え」の連打。

ドアオープン!
「まじかよ!」

でもまた次ぎのドアがあって、クイズがあって・・・ついには、いろんなひとの電話が聞こえるスピーカーが転がっている部屋に。

五木(志尊淳)、弁護士西条(鶴見辰吾)、田嶋(ヒロミ)・・・と本音が聞こえてくる。
やっぱりヒロミ、悪いやつだった。

みんなが敵という事実にさらされた藤堂、でも、ここでは逆上せず、冷静に、敵は「仲間」と考え、「仲間はずれ」をあぶり出していく。さすがインテリ。

スピーカーには母・万紀子(黒木瞳)の電話もあった。でも聞かない(真実を聞く自信のない)藤堂。
仲間はずれは「自分」であると覚悟すると、やっぱりドアが開く。
哀しい音楽。カメラがちょっと引いて藤堂の孤独を感じさせる。
そして着いた先は、1話の冒頭の屋上だった。

そこにあったスピーカーの声は、誰もが連帯せず、「孤独」になれば全員が平等で争いのない世界が訪れると持論を語り、「世界を孤独に」しようと持ちかける。

「ショータイムだ」って表情が変わる小山内。「たまたますごいことを知っちゃいました」と、偽・藤堂(遠藤要)の実の父に出会ってしまう、ヘルパー弥生(おのののか)。
みんなそれぞれの持ち場で、気持ちよいくらいドラマを盛り上げていく。みんながそろうことが少ないのは集めるスケジュールがないからか。ひとりひとりのシーンを撮って、まとめあげていく事情をうまく使った構成だ。最初からリアリティーがないドラマなので、何が起ってもあまり気にならない。むしろ、どれだけいろんなことが起って、それを最後にどう繋げてくれるのか楽しみたい気分になる。

藤堂がバーにやって来ると、日下と馬場と砂央里と「よくわからないメンバー」が勢揃い。ようやく、ひとつひとつの点が集まった。
彼らには、パーソナルナンバーをもっていない、それを理由に脅迫されている。という共通点があった。

仲間はずれが集まって仲間になった彼らに、指令が渡る。

世界を孤独に。
そのために、
君たちは今から七つの罪を犯す

「ワンピース」か「七つの大罪」か、漫画チックに盛り上げる。これ、土曜9時でも良かったんじゃないか? 
でも、設定は子ども向けでもなく、大人向きにしては荒唐無稽だからこそ、日曜10時30分という時間帯にピッタリなのかもしれない。
漫画で育った社会人向けによくリサーチして念入りに作り込まれたドラマだと思うし、藤原竜也がそういう世界に驚くほどハマっている。
第二章はどんなふうに盛り上げるか。
(木俣冬)