■連載/メンズビューティー通信

痩せたい。人がそう願うようになってから一体どれだけの手法が試されてきただろうか。

世界中で日夜生み出され続けるダイエット法、だがこれさえやっておけば大丈夫というダイエットの答えは未だに導き出されていない。

そこで、今回は過去行われてきたダイエットと最新のダイエットの状況を見ていき、手法の傾向や人が望む理想のダイエットについて考えていきたい。
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今も昔も変わらないダイエットにまつわる4つの禁忌

ダイエットの手法を説明する前に、以下にあげる4点だけは知っておいてもらいたい。これらは、どのような時代であってもダイエットをするうえで必要な知識なので是非チェックして欲しい。

1.絶食などの無理な食事制限
あなたが計量前のボクサーか即身仏になろうとする高僧など宗教上の理由がない限り、この方法はおすすめできない。

確かに、体重計に乗れば体重は減っているだろうが、そこで減ったのは残念ながら脂肪ではなく水分だ。

イメージとしては干物になった魚。さらに悪いことに、代謝が落ちて太りやすい体質を作ってしまう恐れもある。

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2.薬品やサプリの誤った利用
摂取カロリーと消費カロリーを減らさなければ痩せることはない。

つまり「飲めば痩せる」とうたっているいわゆる「痩せ薬」はありえないので、くれぐれもご用心を。

他にも「脂肪を燃焼させる」と言うサプリメントもあるが、フレーズに釣られて大量摂取をしては危険なので用法用量をきちんと守ろう。サプリメントはあくまでダイエットの補助として意識するべし。

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3.下剤の使用
「ダイエット中でも美味しいものが食べたい、そうだ吸収する前に下剤で出せばいいんだ!」ということらしいが、これは全く効果がないどころか腸の機能が低下し慢性的に便秘になるなど害しかない。

たとえ体重が減ったとしても、それは痩せたのではなく、やつれた結果なので周りでやっている人がいたら今すぐ止めて欲しい。

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4.単品の食事に偏った食事

納豆、リンゴにゆで卵と色々な食品が、ダイエット効果が期待できるとメディアで紹介されてきた。

だが、食事がこれだけとなると栄養が偏ってしまい貧血や病気の元となってしまう。内蔵にも負担がかかり病的な外見が出来上がり。

たとえ食事を元に戻しても、リバウンドしやすい体質になってしまうこともある。

食事は1日3回バランスよく摂ることが、ダイエット成功の秘訣の一つであることをしっかりと覚えておこう。

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以上4点は一見痩せそうだがダイエット効果が無ないどころか、健康を損ない最悪死に至る可能性を秘めたものとなっている。それでは、この4点を念頭に置いたうえで過去と現在に行われてきたダイエットを見ていこう。

あ〜、あったなってなる。昔のダイエット

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紅茶キノコダイエット

モンゴル発祥の発酵飲料、ロシアでも伝統的に飲まれており、コンブチャとも。

日本では昭和40年〜50年にかけて流行。近年では紅茶キノコが持つデトックス効果に注目が集まり、ミランダ・カーをはじめセレブの愛飲者が増えており、日本でも再度流行の兆しがある。

なお、作り方を間違えると食中毒になるおそれがあるので、レシピを調べて自分で作ろうという方は細心の注意を払って欲しい。

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リンゴダイエット

1980年代に大ブームとなった。「1日1個のリンゴは医者を遠ざける」とは、紅茶が美味しい国イギリスのことわざである。

美味しく食物繊維が豊富なリンゴだが、先の4番で紹介したように単品ダイエットは危ないので注意を。

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こんにゃくダイエット

「Devil's Tongue」「Elephant Foot」いずれもこんにゃくを意味する英語だ。

酷いいわれようだが、「グルコマンナン」という食物繊維に便秘解消、食欲抑制の効果があるそうで、こちらも80年代にブームとなった。

最近でもこんにゃくハンバーグなど様々なレシピが開発され悪魔の舌の活躍は止まっていないようだ。

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痩せる石鹸

中国製の海藻が入った石けん。95年頃に流行り、油だけでなく脂肪も落とすと評判になった。

月に200万個も売れたこともあるそうだが、現在は販売されていない。

洗っただけで皮下脂肪が溶けるとすると、大怪我どころの話ではないので皆さんには冷静な判断をお願いしたい。

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水ダイエット

1日2リットルの水を飲み、代謝を上げ内臓機能の正常化を促す効果が期待できる。一度にガバガバ飲むより複数回に分けて飲むと効果的。00年代に流行り、現在でも見かけることがある。

これも単品ダイエットの部類に入るので、あくまで健康を維持するための心がけ程度に思うといいかもしれない。

そんなことまで!?最近のダイエット事情

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朝バナナダイエット
スーパーからバナナが消えた日。こう言うと映画のタイトルのようだが、実際に消えたのだから仕方がない。

ついこの間のものかと思ったら、このダイエット08年のものでもう8年前のものだった……。流れてく時のスピードに負けそうだが、バナナは消化もよく栄養満点なので、ダイエット中の食事のメニューに加えると元気が出るかも。

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Photo by Ivan Malafeyev
ビリーズブートキャンプ

「ここはどこだ?そう、ブートキャンプだ!ファイブシックスセブンゴー ヴィクトリー!!!!!」

ひょっとして、あなたの家の押し入れには捨てビリーがいるのでは?ダイエット効果?

「痛み無くして得るものなし!ここはブートキャンプ、絶対に諦めるな!俺についてこい!」

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糖質オフダイエット
今、最もホットなダイエット。糖質とインスリンが結びつくと脂肪になる。

糖質を制限することで、血糖値が高くなる状態をなるべく作らないようにしようという発想だ。

こちらは先の1番で上げたように過度の制限は健康に害をもたらす恐れがあるのに加え、長期に渡る臨床データも無いため無理は禁物。

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水素ダイエット
登場した瞬間から、ある意味で注目を集めている水素水。代謝を上げ美容にも効果があるとのことだが……。

いずれにせよ、水素水だけ飲めばダイエット効果が得られるということは絶対に無いのは確かなので、いかにしてダイエットをサポートしてくれるかという点に注目していきたい。

価値観の変遷といかに向き合っていくか

食料生産が不安定であった原始時代、肥満は長寿を保証する誇りある姿であったという。

しかし、古代ギリシャの時代になると彫刻に見られるように「肉体美」という概念が生まれ、肥満は軽蔑の対象となった。

時は流れ19世紀終わりから20世紀初頭のアメリカでは「ファットマンズクラブ」という結社が人気を博していた。

会員になるには最低体重90キロと入会金1ドルが必要。活動内容は単純で、年2回の会合で仲間と共に美味しいごはんを食べるまくるという、肥満ライフをエンジョイするダンディーなデブの集まりであった。

日本の平安美人からもわかるように、理想の体型は時代によって変化していくのが見て取れる。

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ダイエットが中々うまくいかないとお悩みの方は、一歩立ち止まり先人達がたどってきた道を見返してみるのはどうだろうか。

ダイエット法だけでなく、肉体の美しさに対する価値観の違いを美術館などで確かめるのもいいだろう。

過去の事例を紐解くことで、より良い食事メニューやトレーニングの研究し、新たな価値観を見出すことでダイエットを楽しめる新境地が待っているかもしれない。

取材・文/荒井慎一郎(メンズビューティー編集部)