まずは下に掲載したリストを見てほしい。東京、大阪、名古屋以外の空港に発着する、LCC国際線の一覧である。こうしてまとめてみると、地方都市から出るLCCの路線網もだいぶ充実してきたなあという印象だ。

◆地方都市発LCC国際線リスト

地方都市発LCC国際線リスト
東京、大阪、名古屋以外の地方都市から出ているLCCの国際線。韓国や台湾・中国がほとんどだが、東南アジア行きの便もある。那覇発のピーチは、唯一の国産LCCである点にも注目。

 これだけ増えると、応用のしがいも出てくる。LCCは格安であることに加え、区間ごとにバラで購入できるのも利点だ。行きと帰りで発着地を変えたり、複数の異なる航空会社を組み合わせたりと、工夫次第でユニークな旅程を実現できる。

 今回は地方発LCCを使った応用事例のひとつとして、沖縄経由での台湾旅行を提案したい。一度の旅で国内と海外を両方楽しむ欲張りプランだ。

◎国内の経由地は沖縄が有力候補

 LCCの国際線が出ている地方都市の多くは、国内線にもLCCが就航している。これは国内&海外ダブル旅行を計画するうえで特に注目すべきポイントである。東京などの大都市から国内線で移動した後、国際線に乗り継ぐ、といったルートも組みやすくなるからだ。

 中でも沖縄は、経由地としてうってつけではないかと思う。国内線、国際線ともにLCCの便が多く、選択肢は豊富だ。那覇空港は成田や関空以外で唯一、LCC専用ターミナルを備える地方空港でもある。

 そして何より、沖縄自体が旅行先として魅力的な土地であることが大きい。海外旅行の前哨戦として、南国のビーチへ繰り出しつつオリオンビールでグビッと乾杯、なんてのも悪くない。

 もちろん、逆のパターンも考えられる。先に海外旅行をして、沖縄へ帰国する。いきなり家に帰るのではなくワンクッション置くことで、外国で受けた刺激を整理する。マッタリと泡盛でも飲みつつ……なんてのもやはりぜんぜん悪くない。

◎変則的な旅程もLCCなら格安で

 成田〜那覇線には以前からバニラエアやジェットスターが就航していたが、今年2月には新たにピーチも路線を開設した。さらにはピーチの那覇〜台北線も同月から増便となったばかりだ。成田から出発し、途中で那覇へ立ち寄ってから台北へ飛ぶプランが実現しやすくなった。

 LCCの便を予約するのなら、セールに狙いを定めたい。というより、今やリピーターの間では「LCCはセールで」が暗黙の了解になっているような気がする。セールは不定期とはいえ、結構頻繁に開催されるせいか、平常時の料金に割高感を覚えることもあるほどだ。

 そんなわけで、今回はピーチのセールで航空券を購入してみた。幸いにも金曜出発、日曜戻りという良日程の那覇〜台北便が、往復1万2580円(諸税込み)で購入できた。

 機内預け荷物なし、座席指定なしのミニマム料金である。それらオプション類を付け加えていくと、料金が思いのほか高くなる。格安で購入するのだからと、ついついセコくなってしまうのもLCC利用者にとって「あるある」のひとつだろう。

◎訪日旅行ブームに便乗する旅

 那覇空港のLCCターミナルはやや離れた場所にあり、国内線ターミナルから連絡バスが出ている。セキュリティーの都合でタクシーの乗り入れができないため、必ずこのバスを利用しなくてはならない。

 ピーチとバニラエアはLCCターミナルを利用する一方で、ジェットスターのようにLCCなのに国内線ターミナルに発着する会社もある。また、国内線区間のみJALやANAを使うケースも考えられる。乗り継ぎ時間が短い時や、大きな荷物がある場合には、連絡バスでの移動も考慮して予定を立てたい。

 そのバスを降りて、LCCターミナルの中へ入ると、目を疑いたくなるほどの長い行列ができていた。ざっと見た感じ、ほとんどが台湾の人たちで、日本人客は明らかに少ない。那覇〜台北間はわずかに1時間強のフライトである。台湾の人たちからすれば、沖縄は手軽に日本旅行が楽しめる場所である。那覇を経由して、東京や大阪などへ飛ぶ人もいるだろう。

 LCCの路線網が拡大を続ける背景には、訪日旅行の爆発的なブームがある。日本人としてはその恩恵を受けることで、今回の国内&海外ダブル旅行のような応用法も現実味を帯びてくる。すなわち訪日旅行者のルートを逆にたどる旅である。これも新しい海外旅行の形と言えるかもしれない。

《どちらも捨てがたい…ならば欲張って両方を実現》

どちらも捨てがたい…ならば欲張って両方を実現

●飛行機までは徒歩でテクテクと

飛行機までは徒歩でテクテクと
搭乗ゲート前の待合室。窓がなく薄暗いせいか、これから飛行機へ乗る実感が湧かない。小さな売店が一軒と飲み物の自販機があった。

●那覇空港にはLCCターミナルあり

那覇空港にはLCCターミナルあり
那覇空港のLCCターミナルは簡素な作り。国内線も国際線も受付は同じ場所だ。早めに行ったつもりだが、長蛇の列ができていた。

●列に並ぶ前にまずチェックイン

列に並ぶ前にまずチェックイン
自動チェックイン機が設置されている。預け荷物がある人は、先にここで搭乗手続きを済ませてからカウンターへ、という流れだ。

【沖縄】世界で大人気のニッポン。国内旅行も奥が深い!

●泳げない時期だって沖縄は楽しめる!

泳げない時期だって沖縄は楽しめる! 泳げない時期だって沖縄は楽しめる!
沖縄では世界遺産の「首里城」や、ジンベエザメで知られる「美ら海水族館」などへ。何度訪れても楽しめる定番の観光スポットだ。

【台北】同じ目線でそのまま海外。続けて行くから新発見も

●夜の屋台から感じる異国情緒

夜の屋台から感じる異国情緒
台北では食べ歩きの旅に。おいしいものだらけなので、食べすぎてしまう。写真は寧夏路夜市。夜市なら観光も兼ねられて一石二鳥だ。

●おいしい国はいい国なのだ!

おいしい国はいい国なのだ! おいしい国はいい国なのだ!
魯肉飯(左)や小籠包(右)は、言わずと知れた台湾グルメの代表格。小籠包を台湾茶と楽しめる「金品茶樓」が最近のお気に入り。

文/吉田友和

1976年、千葉県生まれ。初海外旅行にして夫婦で世界一周旅行。その旅の過程をまとめた『世界一周デート』で、旅行作家としてデビュー。「週末海外」というライフスタイルを提唱し、国内外を旅しながら、執筆活動を続けている。