電子マネーの登場で、財布が軽くなった。とくに「おサイフケータイ」をつかっていると、複数の電子マネーを一体化できて便利だ。今日もいつものように、ケータイ片手に近くのコンビニへ。レジにお弁当を差し出して、「iDでお願いします」と伝え、読み取り機に電話をあてがう。

おサイフケータイ対応のスマホ(TAKA@P.P.R.Sさん撮影、flickrより)

♪シャリーン――。あれぇ、なんか音違くない? そう、店員さんは「iD」と間違えて、「Edy」で決済してしまったのだ。両方のサービスを利用している記者は、こういったケースによく出会ってきた。また、周囲に話してみても、「よく間違われる」との声が。どうしたら、思った通りの決済ができるのだろうか。いろいろと調べてみた。

そもそも、両者の違いは?

まずは、両者の成り立ちから振り返ろう。先に登場したのは「Edy」。実証実験を経て、2001年にソニーやNTTドコモなどの合弁事業として、本格的にサービス提供が始まった。Euro(ユーロ)とDollar(ドル)、Yen(円)に続く、第4通貨の意味が込められているとされる。現在は楽天の子会社で、「楽天Edy」が正式なサービス名になっている。

楽天Edy(TAKA@P.P.R.Sさん撮影、flickrより)

一方の「iD」は05年、ドコモがスタートした。Identity(自己証明、存在証明)とID(身分証明書、社員証)をあわせたネーミングで、事前にチャージするプリペイド方式のEdyと違い、後からクレジットカード等で払うポストペイ方式を採用している。

「iD」リーダー&ライター(Karlis Dambransさん撮影、flickrより)

たいていの電子マネー対応店では、客が店員に決済手段を伝え、店員がレジ操作で決済手段を入力する。するとICリーダーの液晶画面などに「iD」や「Edy」と表示され、客はそれを確認したうえで、ケータイないしカードをタッチする。しかし、先にタッチしてから手段を伝えたりすると、確認するまでもなく決済されてしまう、あるいは持っていない電子マネーの方が表示され決済できない(やり直しになる)場合がある。

決済手段を選べる自動販売機(Yuya Tamaiさん撮影、flickrより)

どの電子マネーで決済するか、客が選べるタイプのレジもある。たとえばローソンでは、カードリーダーに置いた後、タッチパネルに「どの電子マネーが選べるか」が表示される。このような選択式レジならばいいが、現状では多くの小売店が「口頭で」決済方法を伝えるようになっている。

話を聞いてみた

このモヤモヤを当事者にぶつけてみた。NTTドコモに話を聞いてみると、とくに利用者から「まぎらわしい」といった声はないとのことだった。また、楽天Edyに取材してみると、

「このような利用者様の声はごく稀に頂きますが、最近になって増えてきたということはございません」

とのこと。間違えられることが少ないのか。それとも、わざわざ問い合わせる人が少ないのかは不明だが、「ごく稀」だそうだ。せっかくなので、聞き間違えられないコツはあるのか質問してみた。

「『楽天Edy』と正式名称で言って頂くか、『エ』の部分を強調して、なるべく滑舌よく伝えることと、できれば繰り返し言って頂くとより良いかと思います」(楽天Edy広報)

確かに「エ・ディー」と伝えてみると、間違えられることは格段に減る。一方のiDでも、イントネーションに気を遣いつつ、「ア・イ・ディー」と伝えれば、間違われることはなくなった。現金よりスピード感のある電子マネーだが、伝えるときには適度な「ゆっくりさ」も大切になってくるということだ。