誰でもなり得る「インポスター症候群」、克服に必要なのは──?

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子どものころは、自分には何でもできると思っていた。体操を始めたときには次のナディア・コマネチになるつもりだったし、テニスを始めてからは、次のクリス・エバートになるのだと思っていた。だが、体操選手になるには背が高くなりすぎたし、テニスでは完全に自信をなくし、中学を卒業するころにはもうやめてしまっていた。

私は「インポスター症候群」を発症していた。いつか誰かに、私が「詐欺師」であることがばれてしまうのではないか──そう考えていた。自分のしていることに全く自信が持てない状態に陥っていたのだ。

これは、誰でも発症する可能性がある「症候群」だ。男女を問わず誰にでも起こり得る。あなたの上司や親友もそうかもしれないし、芸術家や天才もこれに悩まされる。女優のエマ・ワトソンやフェイスブックのシェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)、スターバックスのハワード・シュルツ最高経営責任者(CEO)、そしてアルベルト・アインシュタインも、インポスター症候群に苦しんでいた人として知られている。

また、およそ7割の人が、一生のうちに少なくとも一度は自分を「詐欺師のようだ」と感じるものだといわれている。自分だけではないと知れば、今この症候群に悩んでいる人も、きっと心強く思うことだろう。

だが、一体どうすれば自分を「詐欺師」のようだと思うことをやめられるのだろうか。

私の場合は、勤めていた会社をやめて自分で仕事を始めたころ、「自信がない、準備ができていない」として断った仕事について、ある女性にこう言われたことがきっかっけだった。

「あなたの準備はできている。やりなさい」

この言葉には効果があった。言われたことに素直に従えばうまくいくという、「良い子の行い」が奏功したまれなケースだった。

サポートするシステムがあれば、あるいは、たった1人でも応援してくれる人がいればそれだけで、あなたが難しいことに挑むのに十分だという場合もあるはずだ。そして、その挑戦は私たちをより良く、強く、賢くしてくれる。

助けを求めたり、人を判断せずにただ分かち合うことを目的としたグループを見つけようとしたりすることを、ためらってはいけない。

また、その他に私の心に最も響いたのは、ホスピタリティー業界でグローバル・セールス担当の取締役として働く40代の女性の言葉だった。「20代の人たちへのアドバイスを」と頼んだところ、その女性はこう言った。

「自分の頭の中で繰り広げられているドラマを事実だと思わないこと。あなたにとっては映画のような話も、他人にとってはたった15秒間のテレビ・コマーシャルのようなものにすぎない」

あなたがこれ以上ないほど最悪だと思うような事態も、実際にはその10分の1程度の問題でしかない場合が多いのだ。あなたの失敗を望んで、待ち構えている人などいない。

頭の中で「力不足だ・・・」という声が聞こえてきたら、それを黙らせる訓練をしてみよう。

本当の詐欺師は、あなた自身ではなくその「声」だ。それは、あなたの成功を喜ばず、あなたが素晴らしい自分自身であることを邪魔しようとする、精神的に不安定な「フレネミー(友人のふりをした敵)」のようなものだ。あたなは(この症候群を克服するために、)その”友人”と自分自身を切り離す必要がある。