「勝てそうにない」から「勝てそう」へ!

嬉しさとダマされたような気持ちのごちゃまぜ。20日のリオ五輪は、ポカーンとするような形で終わりました。日本が出場した陸上男子4×100メートルリレー。日本は「衝撃」の銀メダルを獲得。9秒台ゼロ、決勝進出者ゼロ、しかし、あわよくば世界一。もはや短距離での恐れなどなく、短距離王国と言ってもいいほどの強さでした。

僕のスポーツ観戦歴の中で、特に感動的だった試合のひとつに北京五輪の陸上男子4×100メートルリレーがあります。朝原宣治さんをアンカーに据えた1走・塚原、2走・末續、3走・高平、4走・朝原の組み合わせ。スタートからゴールまでが鮮明に思い出される日本スポーツ史に残る名試合でした。

圧倒的なチカラで大差をつけるジャマイカのボルトと、放心という究極の集中で最後の直線を駆ける朝原さん。最後は2ヶ国と競り合うようにして銅に飛び込んだ。抱き合い、吠え、バトンを投げ飛ばし、バトンを見失う。やった、奇跡を起こした。いつ諦めてもオカシクない「身体能力」という巨大な壁に挑み、最後まで諦めなかった男たちの起こした奇跡だ。そんなことを思い、涙したもの。

「何か、普通に速いな…」

北京の感動が微妙に薄れていくほど、日本は強かった。ハッキリ言えば、ちょっと薄れた。予選で叩き出した37秒68のアジア新記録。しかも、ジャマイカが後ろにいる。ウサイン・ボルトやヨハン・ブレークは含まないとは言え、ジャマイカをぶっちぎって決勝進出を決めるとは。「ケンブリッジに替え玉を使ったかな…?」「準決勝進出の選手より速い替え玉なんか都合よくおらんか…」と上下動するような気持ち。9秒台に迫る自己ベストの持ち主が3人いることで、やる前からある程度強いとは思っていましたが、ここまで強いとは思わなかった。

↓アジア記録更新!4人の心をひとつにして、ゴールへ一本のバトンをつないだ!


SMAPさんにも見せたい!

4人の心をひとつにして、ゴールへ一本のバトンをつなぐこの姿!

むしろ、5人よりも4人のほうが一体感がある!

迎えた決勝。日本のサムライたちは、抜刀するサムライポーズで登場します。伝わってくるのは相手を斬る感じ。ダメならハラキリなどという悲壮感はまったくなく、自信がみなぎっている。2走をつとめる飯塚パイセンの音頭で、ノリノリの4走・ケンブリッジ、走る前からドヤ顔の1走・山縣、ノリに出遅れ感が否めない3走・桐生、インターチェンジの羅列みたいな都市名高速カルテットがやってきた。1走・岐阜県山県市、2走・福岡県飯塚市、3走・群馬県桐生市、4走・マサチューセッツ州ケンブリッジ市。ワールドワイドに広がる親しみで、各都市もパブリックビューイングせざるを得ない男たちが!

↓おおおおぉ…メダル圏内の絶対的自信がなければ許されない悪ふざけだ…!

惨敗なら心ないインターネットで「ハラキリ」と書かれるヤツだな!

よし、その自信、信じるぞ!

1走・山縣が好スタートを決め、早くも外のレーンを走る中国をとらえ、2走の飯塚へ。200メートルを主戦場とする選手ということで、コーナーをまわる3走に起用されそうな飯塚から、100で期待の3走・桐生へのつなぎ。十分な加速をつけて、ピタリと決まったバトンパス。桐生はやたらと早いコーナリングで、「4年後は200もエントリーしてるな」と唸らせる走り。この時点で日本はジャマイカ・アメリカとの先頭争い。ジャマイカ・アメリカという100メートル大国を相手に、日本が一歩も退かない互角の戦い。

4走のケンブリッジへのつなぎではわずかに詰まるというか、理想的なドンズバではない動きとなるも、それでも十分なスムーズさでバトンをパスすると、瞬間的に先頭だった気がする(!)くらいの状態。実際は走り出したジャマイカの4走・ボルトがすぐに抜け出すものの、日本が世界の先頭に見えた。そしてボルトに食い下がり、アメリカ・カナダを抑えきったままゴールへ!2位!銀!金を競り合っての銀です!

↓間違いなく銀!写真を見るまでもなく、失格云々を待つまでもなく、アメリカを上回った明確な銀!アジア記録再更新!



北京銅:「ウチだって銀かもしれんぞ!」
北京銅:「ジャマイカがドーピングだったらしいからな!」
北京銅:「一緒、一緒、ほとんど一緒!」
北京銅:「我々も確定次第、銀って名乗るわ!」
北京銅:「そっちも8年後くらいに金に替わってるかもしれんけど!」

ジャマイカのオシッコ盗んできたら金にできるかもしれんな!

パウエルもブレークもドーピング前科持ちだからな!

得意のバトンパスが、この銀の勝因のひとつであることは間違いありません。繰り返した練習によって習熟させたアンダーハンドパス。手を目一杯に伸ばして、走るよりわずかに速く、手の長さのぶんだけ時間をカットしてきた。それはテクニックの部分としては大きい。

しかし、何よりも選手が速かった。ひとりひとりが自己記録を伸ばし、高いレベルで選手が揃ったことが大きい。北京では予選で強豪国が失格したことで、タイム順だけで言えばもう少し順位が下がるだろう中での3番手でしたが、今回は全部が実力を出したうえでの2番手。向こうがよほどリレー練習をしないかぎりは、何度やっても2番手になれる、注釈一切不要の銀です。

もう勝てる。勝ってしまう。

ジャマイカはボルトがこれが最後の五輪と表明しており、アメリカはタイソン・ゲイ、ジャスティン・ガトリンという近年の短距離走を支えてきたドーピング兄弟が年齢的に消えざるを得ない状況。この2ヶ国以外は安定したメンバーを揃えるのは難しく、しかも次回はコチラの地元・東京。今回もボルトさえいなければ日本が勝っていたというようなレースで、次はボルトがいないのですから、普通に日本が勝ってしまう。

地元の秘策として15センチくらい長いインチキバトンや、手元のボタンで瞬間的に伸びるワンタッチイカサマバトンを用意する必要はない。朝原さんたちが起こした奇跡の遥か向こうまで到達した日本には、もはや実力以外のものは必要ない。引きつづきリレー練習を積み、年齢とともに普通に成長するぶんを加味すれば、それだけでいい。

2020年東京では、日本人が100メートル五輪ファイナリストとなり、リレーで金メダルを獲っているはず。その歴史を刻む瞬間を、新調した新国立競技場で迎えられるなんて晴れがましい限り。その瞬間が待っているならば、ケチくさいこと言わずにドーンと建てておいたほうがいいですよね。100年先まで何度も見返す、最高の瞬間になるはずですから…!

↓我々はすでに世界の頂点に片足を乗せている!

ていうか、両足乗ってるwwwwwwwwwwww

山縣市wwwwwwwwww

オシッコに不安のない国の躍進は、世界陸上界的にも嬉しい話題のはず!