まだまだ続く特撮の夏。快調な『ウルトラマンオーブ』、先週放送の第6話「入らずの森」は夏らしくオカルト風味のエピソード。


中に入ったら二度と出てこられないと言われている「入らずの森」。この森の上空にUFOが現れたという情報がSSPに持ち込まれた。ちなみに情報を持ち込んできたのはビートル隊の渋川一徹(柳沢慎吾)。姪っ子に頼らずに自分たちで調査しろよ! とも思うのだが、大きな組織はなかなか動きが悪いのかもしれない。

写真に写っていたのは大きなお友達ならよく知っているメトロン星人のUFOだった。入らずの森の地下には、地球侵略を狙う宇宙人たちの組織「惑星侵略連合」のアジトがあったのだ!

メンバーは、ドン・ノストラことメフィラス星人ノストラ(演:安元洋貴)、メトロン星人タルデ(演:外島孝一)、ナックル星人ナグス(演:岸哲生)の3名。いずれ劣らぬ強敵揃いだ。前回、セーラー服姿を執拗に披露して話題をさらったゼットン星人マドックもメンバーらしい。

なお、メフィラス星人ノストラ役の安元洋貴は、『ウルトラゼロファイト』に登場した悪の宇宙人組織ダークネスファイブのメフィラス星人・魔導のスライも演じていた声優さん。直接のつながりはないかもしれないが、ウルトラシリーズを見続けているファンにとっては嬉しいキャスティングだろう。

喫煙者が減っているため「幻覚タバコ作戦」を中止せざるを得ないと嘆くメトロン星人。これは『ウルトラセブン』第8話「狙われた街」のネタ。タバコの中に地球人を発狂させる薬を入れて殺し合いをさせていた。当時は隊員も基地の中でスパスパとタバコを喫っていたが、今は屋内全面禁煙が当たり前だからね。メトロン星人はこの後、時任三郎ばりに夕陽への愛情を語るが、それも「狙われた街」で夕陽が印象的に使われていたからだ。

一方、ナックル星人は「いっそひと思いにぶっ殺してやりますか」と雑なことを言う。『帰ってきたウルトラマン』では知略を尽くしてウルトラマンジャック(新マン)を処刑に追い込んだが、このナックル星人はチンピラヤクザのようでもある。

UFOの姿を求めて入らずの森にやってきた渋川とSSPの3人。入らずの森は再開発で消え去る運命だった。アジトで惑星侵略連合の面々が、森がなくなることを嘆いているのがおかしい。ジャグラス ジャグラー(青柳尊哉)とナックル星人ナグスが怪獣カードを使ってポーカーをしていたが(「キング」のつく怪獣のカードを5枚揃えてファイブカードとか)、あれってポーカーというよりドンジャラに近い遊びだと思う。

日中なのにあっさりと高貴な女性のような姿をした幽霊を見るキャップ(松浦雅)。しかし、ナックル星人と『逃走中』のエージェントそっくりな部下たちが現れて4人を追いかけ回す。このシーン、なぜかコメディ風に演出されているのは、これが『オーブ』らしさということなのだろうか。渋川(というか柳沢慎吾)が反撃しようとすると、BGMが『太陽にほえろ!』風になる悪ノリぶり。個人的には嫌いじゃない。

『ウルトラマンオーブ』のものすごい偶然


キャップが遭遇した幽霊は、入らずの森の中の古墳に祀られていた玉響比売命(たまゆらひめのひこと)だった。玉響といえば? そう、ウルトラマンオーブの“オーブ”とは玉響を意味する言葉なのだ。

たまゆらとは、勾玉同士が触れ合ってたてる微かな音のこと。転じて、「ほんのしばらくの間」「一瞬」(瞬間)、あるいは「かすか」を意味する古語(Wikipediaより)。写真に写り込む小さな水滴のような光球のことを玉響現象(オーブ現象)と呼ぶ。同題のアニメがあったのを覚えている人も多いだろう。

ということは、この玉響比売命とウルトラマンオーブには何か関係があるのだな! と意気込んでみたところ、シリーズ構成と脚本を務めている中野貴雄のブログにこんなことが書かれていた。

「なんか適当に昔のお姫様の名前をつけなければいけなくて、『クシナダだとまんま過ぎるしなあ……タマシイがユラユラするから……タマユラ?』という事になったのですが、『たまゆら』が『オーブ』を意味することなんて全然知らなかった。偶然なのです、お導きです」

ガクッ。でも、こんな偶然が起きるなんて、かえってすごいことなのかもしれない。ちなみにクシナダとは『古事記』に登場するヤマタノオロチに捧げられそうになっていた娘の名前。

さて、話を戻すと、ナックル星人たちに追い詰められていたSSPを助けるのは、もちろん風来坊ヒーロー、クレナイ ガイ(石黒英雄)。変身前から素手でビームを跳ね返し、ナックル星人を叩きのめす! ガイが強いというより、ナックル星人がちょっと情けない。

ガイの登場を見て、ジャグラーが放ったのは超獣アリブンタ! 口から何でも溶かす蟻酸を吐くのと、両手から炎を出す武器は『ウルトラマンA』に登場したときそのまんま。かつては地下鉄を襲ったり、O型の女性の血を吸ったりとやりたい放題だったが、今回はウルトラマンオーブが、スペシウムゼペリオン、バーンマイト、ハリケーンスラッシュに3段階変身して徹底的に叩きのめした。ウルトラマンオーブ、めっちゃ強い。惑星侵略連合はメトロン星人のUFOに乗って逃走した。

古墳を守ったウルトラマンオーブ。古墳が見つかったことで森も守られることになり、玉響比売命の幽霊も落ち着いた。これにて一件落着。

ところで最後、今後に関する重要な情報が語られる。まず、ウルトラマンオーブは元の力を失っていて、2人のウルトラ戦士から力を借りている状態ということ。それと、ジャグラーが元々は光の戦士だったということだ。

今後は、ウルトラマンオーブ、ジャグラー、惑星侵略連合の三つどもえになっていく展開が予想される。惑星侵略連合、オカルト話、超獣アリブンタとの戦闘とやや情報過多気味ながら、掘っていくとどこまでも情報が埋まっている第6話でした。そういう意味では『シン・ゴジラ』とも共通している。

さて、この記事が配信されている頃には放送が終わっている第7話は「霧の中の明日」。未来を予知する美少女が登場するぞ! 見逃してしまったあなたには、円谷プロダクション公式チャンネル「ウルトラチャンネル」で1話まるごと見逃し配信中です。紅に燃えるぜ!
(大山くまお)