8月21日のフィナーレに向けて、後半も日本のメダルラッシュが続き盛り上がりを見せているリオデジャネイロ五輪。現地には、競技以外にも面白い施設やイベントが多数ある。

 まずは選手村。ここは14の競技が行なわれている「オリンピックパーク」から近く、卓球やバドミントン会場の「リオセントロ」の隣にある。31棟の宿泊施設やジム、レストラン、レセプションセンターなどが完備された巨大な施設だ。ある競技関係者が「ロンドン五輪のときは少し遠かったけど、今回は近くて助かります」と言うように、選手にとって利便性が高いようだ。

 セキュリティはかなり厳重で、選手やコーチでも2重、3重のチェックを受けて、やっと自分たちが泊まっている棟にたどり着ける。ベランダには各国の国旗が飾られており、オリンピックらしさを演出している。

 メディアが入れる「ビレッジプラザ」では、大会期間中、世界各国の選手たちの取材が行なわれている。そのエリアを囲むように、スーパーやチケットオフィス、郵便局、写真店、美容院、オリンピックのお土産ショップなどが並んでいる。

 お土産店のイチ押しは、やはり大会のマスコットである黄色いネコ「ヴィニシウス」。小さいものから大きいものまでぬいぐるみがズラリ。ブラジル選手団のマスコットであるジャガーの「シンガ」のぬいぐるみも人気のようだ。

 ちょうど買い物を終えた競泳女子の星奈津美選手と清水咲子選手は、「Tシャツを買いました!」と笑顔で戦利品を見せてくれた。

 このビレッジプラザで、ひときわ長い行列ができて目立っていたのが、マクドナルド。選手やコーチら男女100人以上、世界各国の選手が整然と並んでいる。選手村にはメインダイニングという大きな食堂があり、アジア料理はもちろん各国料理があるようだが、飽きてしまう選手もいるのだろう。

 日本競泳男子の選手たちもマクドナルドで買ったポテトやハンバーガーを食べていて、「50分くらい並びました!」「ブラジルに来てから初マックです」と、満面の笑み。マクドナルドは朝から晩まで行列続きだった。

 また、オリンピックパークからバスで15分ほどの場所には、2020年の東京五輪や開催都市東京・日本の魅力を紹介する「ジャパンハウス」があり、美術館の一部を借りて会場としている。東京五輪のアピール、東京の観光案内はもちろん、東京の水道水の試飲施設(2000リットルをリオに運んだ)、2019年ラグビーのワールドカップの告知ブース、東京以外の46の道府県の魅力を紹介するコーナーなどがある。

 無料で開放されているため、現地の人や観光客の姿も多い。日本の文化体験エリアもあり、一番人気は、漢字を書いてみたい人が多いのか「書道」。浴衣の試着やヨーヨーのコーナーなどもあり、賑わいを見せていた。

 ジャパンハウスは連日各種イベントが盛りだくさん。この日は、まず「我武者羅応援団」が「Rio to Tokyo」ということで、リオと東京の人々に対してエールを送り、日本食のシンポジウムには鈴木大地スポーツ庁長官とジーコが登場。200人分ほど用意された客席はいっぱいに。シンポジウムは日本食がアスリートにとって適しているというテーマで、ジーコはしゃぶしゃぶ好きをアピールし、鈴木長官は「ご飯には生卵やお味噌汁が合う」など日本食を紹介。イベントが終わると、ジーコは地元のファンに囲まれていた。

 その後、リオ・サンバカーニバルの日本人初の優勝者でトップダンサーの工藤めぐみさんによるオンステージでは、地元の人を巻き込んで会場は大いに盛り上がった。

 ほかにも、日本食の試食会(ビールや日本酒、ウィスキーも充実)も行なっており、リオにいることを忘れてしまいそうになるほど。4年後、東京で開催されるオリンピックに向けて日本の食や文化をアピールする場であるジャパンハウスは、現地で取材を続ける筆者にとっては、ホッとできるオアシスのような施設だった。

斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji