日本でよく見かける霊柩車といえば、クラウンエステートを架装したモデルやキャデラック・リーンカーンベースなどほか、ロールスロイス・ファントムをベースにした世界一高級と思われる霊柩車が話題になったこともありました。

1またある取材で、美術の先生がロールスロイスの霊柩車に大きな絵を積んで運んでいた、なんてクルマを拝見したこともあります。

2016年8月22日〜24日に東京ビッグサイトで開催される「エンディング産業展2016」の会場において、光岡自動車が新型霊柩車の「ヴェルファイアグランドリムジン」を初披露し、22日から全国で発売が開始されます。

今回、発表される新型霊柩車の「ヴェルファイアグランドリムジン」は、近年多様化する葬儀形態や様式に対応した新型の霊柩車。

車名からも分かるように、トヨタの最上級ミニバンであるヴェルファイアをベースに、全長を1400mmもストレッチさせた存在感のあるバンタイプの洋型霊柩車で、広大な室内空間は自由なレイアウトが可能で、多様な要望を満たせるように設計されています。

光岡自動車といえば、個性的かつ上質な内・外装が特徴で、この新型霊柩車の製造生産も「オロチ」や「ビュート」と同様に、1台1台職人の手作業によって行われます。

なお、キモとなる車台延長工程では、職人自らが部品図を描いて溶接を行い、国内では最大級となる8基の塗装下地ブースと3基の塗装ブースであらゆる板金塗装に対応し、多彩な要望に応じた内装や装備に仕上げていくそうです。

今後伸びゆく終活関連ビジネスにおいて、意外にも!? これまで乗用車メーカーとして公に霊柩車を生産・販売をしているメーカーは他になかったそう。公にということは、こっそりと生産・販売されることもあったのでしょうか。

さて、アフターサービスでは肝心な補給部品の安定供給や店舗での販売・修理受付まで一貫した体制で、メーカーならではの安心感を提供するとしています。さらに、海外への輸出もすでに開始されていて、市場を分析しながら拡販していくとしています。

「終活」という言葉が浸透しつつあるいま、元気なうちに自分の葬儀をセルフプロデュースする例もあるようですから引き合いも多いのでしょう。

個人が霊柩車を買うことはないですが、気になる価格は1026万〜1104万8400円。

2.5Lガソリンのみで、2WD/4WDともに設定されます。霊柩車なのでブラックに塗装されていますが、純白に塗って室内を変えればウェディング業界などからも注目されるかも!?

(塚田勝弘)

光岡自動車からヴェルファイアベースの霊柩車が登場(http://clicccar.com/2016/08/20/393526/)