『ニッポンを解剖する!  東京図鑑 (諸ガイド)』ジェイティビィパブリッシング

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 1958年に完成して以来、東京のシンボルとして今なお多くの人びとに愛され続けている"東京タワー"。タワーのフォルムやライティングだけでなく、鮮やかな赤色の塗装も魅力のひとつですが、そのカラーを保つためには職人の手仕事による技があるのだそうです。

 開業以来、汚れやサビなどの劣化から塔体を保護するため、5年に1度のペースで塗装が施される東京タワー。施工期間は約10ヶ月、延約4500人以上の職人たちによって約9万4000屬量明僂塗装され、使用する塗料は、3万4000リットルにも及ぶのだといいます。

 その工程としては、まず安全に作業をできるよう、塔体の周りに足場を組み立てます。現在の足場は電波障害を受けないFRP製パイプですが、2007年までは丸太が用いられていたそう。続いて、旧塗装をはがすことで、装料の耐久性を上げます。そして刷毛を使い、下塗り(グレーのペンキで劣化予防、美観保持のための防サビ塗装、キズの補修も行う)、中塗り(下塗りと上塗りを密着させ耐水性と耐久性の向上を図る)、上塗り(鉄を防サビ・保護し、美しい外装に仕上げる)という3段階に分けて塗っていくそうです。

 この東京タワーですが、実はタワー6兄弟のうちの五男。耐震構造の父であり、"塔博士"こと内藤多仲博士は、東京タワーのほかにも6塔を手がけており、それらはタワー6兄弟とも呼ばれているそう。長男から名古屋テレビ塔、次男が通天閣、三男が別府タワー、四男がさっぽろテレビ塔、そして五男が東京タワー、六男が博多ポートタワーとなっています。

 本書『ニッポンを解剖する! 東京図鑑』では、東京タワーはもちろん、東京駅、皇居、国会議事堂、明治神宮、六義園をはじめとする東京の名所の数々、さらには歌舞伎座や両国国技館、新宿末廣亭といった文化施設をも詳しく解説。歴史を辿ると同時に、最新の東京の姿を理解することができます。

「東京は建築の新陳代謝が激しい街だが、明治以降の建築の歴史を辿れるほど、質の高い作品が多く残っている。とはいえ、近年は戦後のモダニズム建築の名作の取り壊しが相次ぎ、文化財の保存が議論されている。東京の都市風景をどのように造り上げていくのか、試されているといえよう」(本書より)

 刻々と移り変わる東京の街の魅力を伝える一冊と共に、改めてゆっくりと街歩きしてみると、新たな発見も多いのではないでしょうか。