日本と中国は文化的に近いと言われながらも、実際の生活習慣は異なる部分も多い。上海海事大学の祁儀娜さんは短期留学で訪れた日本で、日中のある文化の違いを感じたようだ。写真は居酒屋。

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日本と中国は文化的に近いと言われながらも、実際の生活習慣は異なる部分も多い。上海海事大学の祁儀娜さんは短期留学で訪れた日本で、日中のある文化の違いを感じたようだ。

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時は2013年7月。大学2年生だった私は、夏休みに短期留学生として、東京で20日間ぐらいの留学生活を経験した。ある夜、強い好奇心に駆られて、中国人の留学生の友達と一緒に、「居酒屋」に入ってみた。それは、日本人にとってはごく普通な店なのだろうが、中国人の私たちにとってはなんとなく神秘的な色合いを感じさせる、そんな店だった。

以前に、授業やドラマなどで「飲み会」という日本独特な職場文化を耳にしたことはあったけれど、実際に夜遅くまでビールを飲みながら歓談するサラリーマンたちを見ると、やはり驚かずにはいられなかった。一体どんな理由で、日中両国の習慣がこれほど異なるのだろうと、不思議でたまらなかった。

その時は、単なる「日本のサラリーマンのストレス解消法だ」と見なしていたけど、それから2年間の勉強を続け、日本人との接触も徐々に多くなるのに伴って、それに対する理解と認識が一層深くなってきた。ストレス解消以外に、日本人は退勤後の「飲み会」を上司や同僚との関係を良好に保つための潤滑剤と考えているようだ。2014年、ある調査によると、6割以上の新入社員はそれを「仕事の一部、仕方ないことだ」と見なしている。だから、できるだけ早く会社に溶け込み、周囲の人に認められるためにも、ほとんどの人は「飲み会」に参加する。

一方で中国ではどうかと言えば、共働き家庭に主導される中国社会では、ご飯作り、洗濯、子供の面倒を見るなどのことを全部女性に任せることはなくて、男性も相当な役割を果たしている。そのため、どうしても顔を出さなければならない交際以外、男性は勤務時間外の残業をしたくないし、する時間もない。近年労働力の低下や不景気により、日本の共働き家庭も益々増えてきたが、やはり男性は仕事に、女性は主婦としても忙しく働く場合が多いと言われている。

さらに、根本的な理由として、両国国民の考え方の相違があると思う。一般的に、中国人は「家庭本位」であり、日本人は「集団本位」だと言われて来た。中国人は会社での人間関係を守るより、家族の方を重視している。一方、日本人の考えには、自分が存在する集団の利益は何よりも勝り、生涯かけても守るべきものだ。そのため、転職率の高い中国人と比べて、日本人は会社に忠実で、会社とともに生きていく責任感を肩に担っている。働かされるというより、自ら会社のために力を尽くすという意識が高い。その点において、中国人は日本の長所を吸収する必要があるのではないか?しかし、それに伴い、仕事のストレスが高い、家庭に注ぐ時間が少なくなるということも否定できないが。

「飲み会」のような日常のことでさえ、社会文化や行為意識の相違により、中国人にはとても不思議なことなのだ。でもそれが、まさに文化の魅力ではないだろうか。私は自分が見た本当の日本を周りの人々に伝え、また同時に本当の中国のことも日本にいる人々に伝えたい。考え方が異なっていても、理解と友好を求める心は同じだと思う。それでお互いに理解が深まれば、心の距離も徐々に縮んでいくはずだ。(編集/北田)

※本文は、第十一回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「なんでそうなるの?中国の若者は日本のココが理解できない」(段躍中編、日本僑報社、2015年)より、祁儀娜さん(上海海事大学)の作品「その国、不思議」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。