(写真提供=SPORTS KOREA)

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卓球の国際大会で中国人同士が対戦するのは、もはや珍しい風景ではない。例えその中国人選手たちの国籍が違っても、だ。

リオ五輪でも何度かそんな風景が繰り広げられた。

例えば、女子シングルス3回戦のフランス対オランダ戦、オーストラリア対オランダ戦などなど。

リオ五輪に出場した中国系選手をここに羅列すると枚挙に暇がない。「卓球女子の各国代表が帰化中国系選手だらけ」と、ネットで話題になるのも無理はないだろう。

近年、卓球界は中国の独走態勢が続いている。中国内でも競争が激しく、代表に選ばれることすらままならない状況だという。それが、中国籍を放棄する選手が急増した理由だ。

韓国にもそういう帰化選手がいる。リオ五輪女子卓球韓国代表のチョン・ジヒ(田志希)がそのひとだ。

中国・河北省出身。1992年生まれのチョン・ジヒは、7歳から卓球を始めてユース中国代表にも選ばれたほどの将来が有望な選手だった。

しかし、卓球人口が3000万人を超える中国で、シニア代表に選ばれるのは想像以上に厳しい。

チョン・ジヒは悩んだ末に、2008年にひとりで韓国に渡った。そして2011年に韓国籍を取得する。

帰化の理由については「中国には(卓球)上手い人があまりにも多くて(代表になれないから)」とはっきり語ったほどだった。

それに対して韓国内では、

「ただメダルが欲しくて帰化しちゃうところが全然理解できない」

「あなたの夢見るコリアン・ドリームは、韓国にありません」

「ロシアに帰化しちゃったアン・ヒョンスもいるし、スポーツ界の帰化はもう仕方ないんだな」といった賛否両論があった。

2014年に韓国代表に選ばれたチョン・ジヒは、さっそく活躍し始める。同年に開かれた仁川アジア競技大会では、ミックスダブルスで銅メダルを獲得。2015年の第69回全国男女総合卓球選手権大会では個人シングルス優勝に輝き、同年度の“韓国卓球協会最優秀選手”にも選ばれた。

そして2016年、待ちに待ったリオ五輪に出場したチョン・ジヒ。

残念ながらメダル獲得はならなかったが、団体戦のシングルスで2勝を収める活躍には、韓国の人たちも驚いたらしい。

「プレーを見て応援したくなった。女子選手の中で一番頑張ってたな」

「やっぱり攻撃型だから見てて気持ちよかったよ。今までの守備型とは全然違う」

「韓国卓球界の新しい希望」

「東京五輪ではメダル取れるかも」

と、ネット民からも多くのコメントが寄せられた。

2020年東京オリンピックの話になると、黙って頷いたというチョン・ジヒ。韓国国旗を背負って4年後の東京でも卓球台の前に立つと、決意したのだろう。

(文=S-KOREA編集部)