「認知症」は遺伝するのか?専門家に聞いてみた

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65歳以上の4人に1人が発症しているかその予備軍とされる「認知症」。介護する家族の負担は大変なものがある。「教えて!goo」には、認知症の両親を持つ男性から「認知症の遺伝について」との質問が寄せられていた。やがて自分も認知症になり、子供に負担をかけてしまうのではないか、と恐れているのだ。専門家に話を聞いた。

■遺伝するのは稀有なケース

64歳以下で発症する若年性認知症の中に遺伝が原因で起きるものもあった。西條クリニック(東京都新宿区)の西條朋行院長は「若年性認知症の原因となる若年性アルツハイマー病には、遺伝によって起こる家族性アルツハイマー病も多いと言われています」と話す。

家族性アルツハイマー病は変異した遺伝子によって起きるが、その遺伝子は子孫にも引き継がれるそうだ。しかし、若年性アルツハイマー病の患者は人口10万人あたり20人と言われ、そのうち家族性アルツハイマー病は10%にすぎないという。認知症が遺伝するのは稀有なケースだった。

ただし、西條院長は「家族や親族が家族性アルツハイマー病とはっきり分かっている場合は、自分も発症する可能性が高いので早期発見、早期治療を心掛けましょう」と注意を促した。

■家族に認知症がいたら自身の点検を

認知症の約6割が脳が萎縮してしまうアルツハイマー型、約2割が脳梗塞や脳出血など脳の血管の病気で神経細胞が死んでしまう脳血管型だ。

脳血管型の原因は、高血圧、脂質異常、糖尿病など運動不足やストレス、食生活に起因する生活習慣病とされる。アルツハイマー型の遺伝子を引き継いでいなくても、体質や食生活を引き継いでいれば、当然認知症になる可能性も高まるだろう。

西條院長も「日常生活を見直し、適切な運動や食生活を取り入れることは、脳血管型の認知症だけではなく、アルツハイマー型認知症の予防にも有効であることが報告されています。」と指摘している。

家族性アルツハイマー病に起因する若年性認知症でなくても、家族や親族に認知症患者がいれば、生活そのものを点検してみたほうが良いだろう。

冒頭で紹介した投稿者のように、誰もが子供たちの負担にはなりたくないはずなのだから。

●専門家プロフィール:西條朋行
東京医科歯科大学、都立松沢病院、浅井病院などで臨床に、放射線医学総合研究所にて研究に従事した後、スウェーデン・カロリンスカ研究所にてPETを用いた脳のレセプターイメージングの研究に従事。日本医科大学を経て、2011年4月から西條クリニックを開業。

(武藤章宏)

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)