その雑誌は、「SNS」として生まれ変わった

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インテリア・建築のオンライン雑誌「Dwell」は、ユーザー独自のカスタマイズと交流が可能な「デザイン好きのためのSNS」に生まれ変わった。そのプラットフォームはほかのジャンルでも使えるもので、ライセンス供与の引き合いも来ているという。

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2/4すべてのユーザーがプロフィールページを持ち、ほかのユーザーをフォローしたり、自分の興味に関連した記事を集めたりできる。デザイナー自身のページと、デザイナーのファンのページが併存している。

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3/4プロフィールページには、ユーザーの興味に合わせた、編集者やデザイナーから「おすすめ」される記事も表示される。現在は人間が編集しているが、将来はアルゴリズムで表示する計画だという。

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4/4コメントセクションで、ユーザー相互のやりとりが行われる。

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現代建築やデザインに特化した住宅雑誌「Dwell」が新しいウェブサイトを公開。リニューアルの域を超えた、まったく新しいプラットフォームに生まれ変わった。

新しい「Dwell.com」は、オンラインマガジンを読むというよりは、「Pinterest」や「Tumblr」を使っているような気分になる。ウェブサイトの訪問者は、読者というよりはユーザーと呼んだ方がふさわしい。コンテンツの海に放り込まれるのではなく、「自分だけの紙面」をつくるように、目にするものを自分で決定できるのだ。

すべてのユーザーがプロフィールページをもち、ほかのユーザーをフォローしたり、自分の興味に関連した記事を集めたりできる。プロフィールページには、ユーザーの興味に合わせた、編集者やデザイナーからの「おすすめ」記事も表示される。Dwell.comがPinterestなどのSNSと違う点は、こうした編集部の関与だ。

いっぽうで、SNS的に、ユーザー同士の交流を促している点も特徴のひとつだ。視覚的に情報を収集できるという点では、「Houzz」(米国発の住宅関連コミュニティーサイト。15年日本上陸)などと大差ない。しかしDwell.comはコミュニティーにも重点を置いており、実際に、「インタレストネットワーク(興味でつながるネットワーク)」になることを目標に掲げている。キュレーターによって監修されたソーシャルネットワークと考えればよいだろう。

ソーシャルネットワークが「大きなコンヴェンションセンターで実際に出会った人たちの集まり」だとしたら、インタレストネットワークは「コンヴェンションセンターで開催される見本市でのやりとり」に近い。仮に、20世紀半ばのデンマーク製の椅子を愛好しているとしよう。この見本市では、同じようにデンマークの椅子を愛する人々だけでなく、それらの椅子をつくったデザイナーたちにも会うことができる。

Dwell社長兼CEOのミシェラ・オコナー=エイブラムズは、「買い物がしたければ、Amazonに行けば済むことです」と話す。「あるブランドのコミュニティーの一員だと実感し、コミュニティーの助けによって自分の好きなものに触れることができると感じることができれば、交流を図りたいと思うはずです」

初期のFacebookでプラットフォーム責任者を務め、ソーシャルネットワーク「Path」を立ち上げたデイヴ・モーリンは、Dwell.comの出資者で、アドヴァイザーでもある。「インターネットがはるかに小さな存在だった2000年代前半、このような活動は掲示板で行われていました。同じ情熱を持つ人々が集まり、ひとつのテーマについて議論していたのです」と同氏は振り返る。「インターネットはずいぶん大きくなりましたが、こうした古い発想を新しいかたちでよみがえらせるチャンスはあると思います」

こうした方向性は、Dwellに限らず、たとえばファッションや音楽などのコンテンツでも採用できる可能性がある。オコナー=エイブラムズによれば、すでに実際に、複数のブランドから、プラットフォームのライセンス供与に関する引き合いがあるという。

こうした「キュレーターによって監修されたソーシャルネットワーク」では、ユーザー個々人が関心をもつもの・好きなものに焦点が当てられ、関心がないものに費やされるムダな時間は減ることになる。「もうコンテンツの海を泳ぐ必要はありません」というわけだ。この試みがうまくいけば、ブランドとユーザー双方にとって利益になるだろう。

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