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夫の浮気を防ぐため、浮気したら「即離婚、慰謝料300万円」を支払え。夫に、そんな誓約書を書かせたいと考える女性が、「(誓約書を)こう書いた方が良いよ等のアドバイスも助かります」と、Yomiuri Onlineの発言小町に質問を寄せました。

トピ主は、夫が「浮気未遂」をしたため、夫に誓約書を書かせました。夫が書いたのは、家事や育児の分担のほか、「異性との関わりを一切行わない」というもの。しかし、「漢字の誤字」があったほか、「慰謝料等の詳しい内容が省かれておりました」。内容に不安を感じています。

本来、トピ主が求めていたのは、他の女性と肉体関係をもった場合には「即離婚、慰謝料300万円、養育費」。出会い目的で女の子漁りをした場合には「即離婚、養育費を子どもが成人するまで」といった条件でした。そこで、「大雑把な内容の誓約書が、いざとなった時に役に立つのか?」と質問しています。

トピ主の質問について、レスには「女性と一切関わりをもたないなんて不可能」と投稿者の条件に無理があることを指摘する声もあがりました。

誓約書は、どんな内容であっても有効なのでしょうか? またトピ主さんのケースでは、どのように判断されるのでしょうか。河原崎 弘弁護士に聞きました。

(この質問は、発言小町に寄せられた投稿をもとに、大手小町編集部と弁護士ドットコムが再構成したものです。トピ「これは誓約書として有効になりますか」はこちらhttp://komachi.yomiuri.co.jp/t/2016/0726/771317.htm?g=15)

 ●誓約書の内容が公序良俗に反していると、無効になる

誓約書(契約)が有効に成立するためには、さまざまな条件があります。そのひとつが、「公序良俗に反しない」という条件です。公序良俗に反した契約であれば、無効になります。

では、トピ主さんの誓約書はどう判断されるのでしょうか? 「女性と一切関わりをもたない」との文言が、文字通り、「話をすることも禁止する」という趣旨なら、公序良俗に反し無効となるでしょう。現実社会で生活していて、そんなことは不可能だからです。

一方で、「女性と一切関わりをもたない」との文言が、「親密な交際をしない」、「不適切な交際をしない」との趣旨であれば、公序良俗に違反しているとはいえず、契約として有効でしょう。

また、トピ主は「他の女性と肉体関係を持った場合は、即離婚、慰謝料300万円」「養育費を子供が成人に達するまで支払う」との条件も誓約書に盛り込みたいとのことです。こうした条件も公序良俗に反しているとはいえませんから、誓約書に盛り込んでも有効となります。

ただ、1つ注意が必要です。誓約書の内容が公序良俗に反せず、契約が有効に成立したとしても、民法上、夫婦間の契約は、いつでも取り消すことができるルールがあります( 754 条)。

しかし、判例は、いくつかの例外を認めています。夫婦関係が円満な状態であるときに締結した契約は、夫婦関係が破綻した後は取り消すことはできません(最高裁昭和42年2月2日判決)。また、夫婦関係が破綻しているときに締結した契約も、取り消すことはできません(最高裁昭和33年3月6日判決)。



【取材協力弁護士】
河原崎 弘(かわらざき・ひろし)弁護士
昭和48年、弁護士登録。平成16年〜平成22年、都内の法科大学院教授。現在は「第二東京弁護士会」(苦情相談委員、紛議調停委員)、渋谷区法律相談委員。著書・監修に「ストーカー撃退マニュアル」「離婚の法律相談」「会社書式大全」「相続の諸手続きと届出のすべてがわかる本」「遺族のための葬儀法要相続供養がわかる本」
事務所名:河原崎法律事務所
事務所URL:http://www.asahi-net.or.jp/~zi3h-kwrz/