フロントライトなど、独特のデザインが目を引くトライアンフ「TR4A」

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古くから多くの名車を輩出しつつも、1984年以降は休止状態となっているイギリスのメーカー“トライアンフ”。いまだに根強いファンの多いメーカーだが、そんなブランドの名車の一つが「TR4A」。今回このクルマを、参加者唯一の若い女性ドライバーが操ると聞き、早速“RALLY YOKOHAMA”に急行した!

【写真を見る】美女ドライバーが操るトライアンフ「TR4A」。ボディーデザインがお気に入りだそうだ

■ 二輪から自動車のメーカーに華麗に転身!

Aさん、あのクルマはなんでしょうか?

お、これまた珍しいクルマだね。これはトライアンフの『TR4A』だ。

――トライアンフですか。名前は聞いたことがあるような…。

それは、オートバイメーカーとしてじゃない?というのもトライアンフは、今現在はクルマを造っていないんだ。

――自動車開発からは撤退しちゃったんですか?

撤退というと、ちょっとニュアンスが違うかな。そもそもトライアンフは、1902年にトライアンフ・モーターサイクルとして設立されて、最初は自転車、続いてオートバイを製造するメーカーだった。そこから自動車開発も行うようになって、1930年にトライアンフ・モーター・カンパニーと社名変更して本格的な自動車メーカーに変わったんだ。

――つまりもともとは二輪のメーカーだったんですね。

ちなみに、トライアンフのバイク部門は、1932年に自動車部門と分離して別会社になっているんだ。バイク部門の方は今も残っていて、名の通ったメーカーになっているよね。

――なるほど、自動車を造らなくなったんじゃなくて、自動車部門とバイク部門がそれぞれ別会社なんですね。では、自動車部門はどうなっちゃったんですか?

第二次世界大戦の影響などもあって業績が悪化したトライアンフは、その後2度買収されて、社名を変えながらも自動車メーカーとして頑張っていたんだけど、最終的には1994年にBMWが買収し、メーカーとしては消滅しているんだ。でもね、実はブランドとしてのトライアンフは、今も残っているんだよ。

――えっ、会社はないのにブランドが残っているんですか?じゃあ、復活する可能性もあるってことですか??

トライアンフは英・ローバー社に買収されたんだけど、そのローバーをBMWが買収したんだよね。ローバーはその後、BMWが別のメーカーに売却したんだけど、BMWは現在もトライアンフの商標だけは手放していないんだ。だから、BMWはトライアンフ・ブランドをいつか復活させるつもりなのでは?なんてウワサされているワケ。

――それだけ価値のあるブランドだと思われているってことですね!

イギリスはもちろんアメリカでも人気だったし、世界的にもファンが多いからね。復活はあくまでもファンの間でのウワサでしかないんだけど、それだけ期待されている証拠だね。

では、今回レースに参加しているトライアンフのオーナーさんにも話を聞いてみましょう。

■ かわいさに魅了されたオーナーと元走り屋!?の女性ドライバー

――ちょっとお話を伺ってもいいでしょうか?

もちろん!いいですよ、どうぞ!!(オーナー・島田さん/男性)

――あれ?運転席に美女が…!?オーナーは運転されないんですか?

ドライバーは彼女(久保さん)です。とはいっても、途中で時々交代しながら運転しますよ。それに若い女性の参加は珍しいでしょ?

――最近の車ならまだしも、クラシックカーですからね。

今回参加している87台の中で、唯一の若い女性ドライバーなんですよ(笑)。

――クラシックカーで美女と横浜ドライブ…最高ですね!おっと、クルマの魅力について伺いますが、ずばり気に入っているところは?

なんといってもデザインです。このクルマが発売されたころから憧れていて、いつかはコレを買いたいと思っていたんですよ。特に目玉(フロントライト)のデザインとか、独特でしょ?どことなくかわいい感じの雰囲気が好きなんです。

――確かに、他のスポーツカーやクラシックカーとは違った独特の魅力だと思います。

ベンツも持っていますし、ポルシェもいいんですけど、やっぱりこのクルマは格別!デザイナー、ジョヴァンニ・ミケロッティの腕ですよ。

――ミケロッティ、トライアンフやBMWで活躍した伝説的なイタリア人カーデザイナーですね。ほんと、デザインにメロメロな感じですね(笑)。運転してみた感じはどうですか?

低速でも、すごいスピード感があるんです。このクルマで100キロ出すと、他のクルマの150キロくらいに感じます。あとは、今のクルマって音とか振動は消しているじゃないですか。昔のクルマは、そういうのがダイレクトに感じられる。クルマと一緒に道路を走っている感覚は、断然旧車の方がありますよね。

――運転する楽しさが第一なんですね。

そりゃあ、快適ではないですよ(笑)。特にオープンカーなので、夏は暑いし。

――確かにそこは…(苦笑)。先ほどデザインのかわいさが魅力とおっしゃっていましたが、リアにトランクを背負っているのもかわいいですね。

これは、クラシックカーがトランクをくくりつけている写真を見ていて、憧れてキャリアとバッグを買ったんです。それだけのことで、あんまり意味はないんですけどね(笑)。単なるアクセサリーです。ちなみに、クルマ本来の“トランク”もちゃんと付いてますよ。

――確かに、アメリカ映画に出てきそうなスタイルでいいですね。さて、話は変わりますが、これまでにも“RALLY YOKOHAMA”に参加したことはありましたか?

今回で4回目の参加です。“横浜を盛り上げる”というのも含んでやっているイベントなので、ユルくて華やかでいいですね。

――ユルさがいいというと、ドライブを兼ねつつ競技も楽しむ、という感じですか。

僕なんか、競技は大体、無視(笑)。このレースでは、前輪でラインを踏んでから次のラインを踏むまでのタイムを測る競技(PC競技)……僕は線踏み競技って呼んでいるんですけど、相当練習していないとやっぱりいい成績はとれないんですよ。だから楽しむ方優先。他の参加者も、楽しむためって人の方が多いんじゃないかな?

――これだけの数のクラシックカーが一堂に会するイベントも、なかなかないですよね。皆さん、そのユルさがお気に入りなんでしょうか?

だからフェラーリとかもエントリーしてるんです。あまり競技には向かないクルマも、華やかなイベントだから出てくる。あそこにアストンマーチンがありますけど、普通ラリー競技には出てこないクルマですよ(笑)。だけど、横浜で楽しいイベントをやっているから出る。そういう意味ではすごいイベントですよね。

――なるほど。少し立ち入ったことをお聞きしますが、今回の女性ドライバー・久保さんとは、どういったご関係なんでしょうか?

彼女は、私の故郷の友人のお嬢さんで、孫みたいなものです。彼女もすごいクルマ好きで、昔はコルベットに乗って峠を攻めていたんですよ(笑)。女性でマニュアル車に乗る人も珍しいけど、彼女はスイスイ走りますからね。それで今回はドライバーを任せました。

――では、ドライバーの久保さんにも少し話を。女性ドライバーは珍しいですが、やはりクルマがお好きなんですか?

好きですねー!好きなんですけど、最近はあまり遠出もしなくなっちゃいました。コルベットもお休み状態です。今回は久しぶりにしっかり走れるので、楽しみです。

――コルベットというのも渋いチョイスですね(笑)。他にクラシックカーもお持ちなんですか?

持っていないんですよ。クラシックカーは、家族ぐるみでお付き合いのある島田さんにお世話になりっぱなしです。

――なるほど。“RALLY YOKOHAMA”はクラシックカーだらけのイベントですが、参加されての感想はいかがですか?

レアなクルマが多いし、競技色がそこまで強くないから、みんなで楽しく走りましょう、という感じ。それがまたいい雰囲気ですよね。

――では、今回も“RALLY YOKOHAMA”を楽しんでくださいね!

■ “ユルさ”“楽しさ”が魅力のラリーレース

――島田さんの話だと、ラリー競技はやはりテクニックというか、練習と腕が必要な競技みたいですね。

スピードやコーナリングを競うんじゃなくて、PC競技はコンマ単位で正確に走るのが目的の競技だから、狙った通りの速度で一定区間を走る練習は必要だろうね。とはいえ一般道じゃできない練習だしね。

――ただ、それでもこれだけの参加数になるというのが、“RALLY YOKOHAMA”の魅力ってことなんでしょうね!

横浜は歴史がある魅力のある街だし、そんな街をたくさんのクラシックカーが走り抜けていく光景は、過去にタイムスリップしたみたいで面白いよね。見ているだけでも満足だけど、運転する参加者たちはもっと楽しんでいるってことだね。それと、難しいとはいえ競技性があるというのも、楽しみの一つなんじゃないかな?

――確かに、自動車競技に参加する経験もなかなかできないですもんね。順位は別として、競技にトライするだけでも楽しいかも。

――今回は3台のクルマを紹介しましたけど、他にも名車、レア車をいっぺんに見ることができて、僕としても大満足のイベントでした!

楽しんでくれてなによりだ。次回は最新のクルマもレアなクルマも登場する、名古屋オートフェスティバルを案内するよ。

――それはまた楽しそうなイベントですね。では次回もよろしくお願いします!

【週刊ジョージア】