ミュンヘンの市街地から少し離れたところに優雅な姿で佇むバロック調の宮殿、それがニンフェンブルク宮殿です。時のバイエルン選帝侯フェルディナント・マリアが10年間待ちに待った息子の誕生を祝福し、建設を命じたのがこの宮殿の歴史の始まり。17世紀から19世紀半ばまで増改築や庭園の造営を繰り返して現在の姿となりました。

ノイシュバンシュタイン城で有名なルートヴィヒ2世が生まれたのもこの宮殿です。彼は生まれてから幼少期のほとんど時間をこの宮殿で過ごしました。

名前の由来が「妖精(ニンフェ)の城(ブルク)」と言うだけあり、宮殿と白鳥が優雅に泳いでいる庭園の美しさには目を奪われます。一般公開されている宮殿ですが、現在もバイエルン選帝侯の末裔の所有物であり、一角は住居として使われています。

宮殿の中は見学することが可能です。ルートヴィヒ1世の美人画コレクションや、ルートヴィヒ2世の生まれた部屋、馬車博物館などの見どころがあります。

そしてこの宮殿の一番の見どころは、何といっても20ヘクタールという広大な面積を誇るイギリス庭園。作られた当初はイタリア庭園でしたが、その後の拡張の際にはフランス式の庭園に変えられ、18世紀後半には英国式の庭園がドイツに浸透したことを受け、イギリス式の庭園へと改造されていきました。宮殿を中心にして左右対称に広がる庭園は、当時フランス人の造園師がヴェルサイユ宮殿のものを手本にして設計したものです。

こちらは庭園側から眺めた宮殿。季節ごとに異なる花が植えられ、よく手入れされている庭園はとても美しいですね。

敷地内には狩猟小屋として使用されていたアマリエンブルク、隠居所・瞑想所として使用されていたマグダレーナの庵、水浴場として使用されていたバーデンブルクといった、それぞれ異なる特徴を持った小さな城が点在しています。

夏の離宮として使われていたニンフェンブルク宮殿。庭園内には至る所に運河や湖などに沿って木漏れ日の中を散歩するのは、とても心地が良いです。ルートヴィヒ2世が幼少時にこの辺りを駆け回っていたのかな、なんて考えるのも面白いですね。他の王族たちもこの水辺で優雅な時を過ごしていた事でしょう。

ニンフェンベルク宮殿はその建物だけでも十分見ごたえがありますが、庭園もそれに負けていません。その際は、敷地が広大なので十分に時間をとってゆっくり散策される事をおすすめします。

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