“35歳以下”なら試してほしい、「若年性乳がん」のセルフチェック法

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執筆:Mocosuku編集部
監修:岡本 良平(医師)


乳がんと聞くと、少し前までは40代以上の女性がかかる婦人科系の病気といったイメージでしたが、最近では、20〜30代の女性でもかかる「 若年性乳がん 」も増えているそうです。

若年性乳がんと通常の乳がんにはどのような違いがあるのでしょうか? またどのようにして、早期発見をすればいいのでしょうか?
詳しくみていきましょう。

「若年性乳がん」とは


若年性乳がんとは、35歳以下の女性がかかる乳がんのことをいいます。一般に、乳がんを発症するのは40〜50代の女性が多く、35歳以下の乳がん率は3%以下と少ない数値です。そのため、若い年齢のときには乳がん検診を受ける機会が少なく、検診を受けても見逃されてしまうことがあります。

若年性乳がんの場合は、がんの進行が早く、発見した時点で腫瘍が大きくなっている傾向があり、また再発の可能性も高いことが指摘されています。そのため、早期発見をすることが重要です。
若年性乳がんの特徴は次の通りです。

・進行が早い
・皮膚症状が少ない
・しこりが大きい
・両側ではなく片側に発生することが多い

通常の乳がんは皮膚の浮腫や衛星結節といった皮膚の病変が表れますが、若年性乳がんではあまり見られません。また若年性乳がんの場合、しこりの大きさは平均して2.9cmと、かなり大きくなりるのも特徴です。

どんな人が 若年性乳がん になりやすい?

乳がんには初期症状がほとんどなく、気づかずに放置してしまうことも少なくありません。そのため、乳腺の外までがん細胞が増殖し、転移してしまう可能性があります。また、若年性乳がんにかかりやすい人には次のような特徴があります。

・身内に乳がんを患った人がいる
・肥満体質ではない
・初経(初潮)が早かった
・出産経験がない
・過剰にアルコールを摂取している
・栄養バランスの偏った食事をしている

若年性乳がん乳がんをセルフチェックする方法

乳がんは何より早期発見と治療が大切です。そのためにはセルフチェックで、しこりがなるべく小さいうちに見つける必要があります。チェックするには「目で見る」と「触診する」の2つの方法があります。

見てチェック


裸の状態で手を頭の後ろで組み、バストやワキに不自然な凹凸がないかをチェックする。

触ってチェック


1:枕の上に背中を乗せて仰向けになる
2:片手を頭より高い位置でのばして、ワキのリンパの部分や乳房を触る
3:しこりやくぼみがないか、また乳頭がただれていないかをチェックする

触診は、生理が終わった後に行うのがベストです。指の腹を使って少しずつ確認しましょう。つまんだり力を入れすぎたりすると、きちんと判断きません。がんがあると、ごつごつした感触がします。肉まん(乳房)に梅干しの種(しこり)が入っているようなイメージです。

とはいえ、しこりがあったからといって必ずしも乳がんとは限りません。乳腺炎、乳腺線維線種、乳腺葉状腫瘍や乳腺嚢腫の可能性もあるので、病院で検査を受けましょう。

若年性乳がんは、早期発見であれば治る可能性が高いです。20歳を過ぎたら月に1度はセルフチェックし、定期的な健診を受けることが大切です。