うつ病を未然に防ぐなど、働く人の心の健康を図る「ストレスチェック制度」が2015年12月に始まった。従業員50人以上の事業所に対し、2016年11月30日までに、全員に実施するよう義務付けている。

しかし、医師の6割以上がこの制度は精神疾患の予防に「効果なし」と考えていることが、会員制の医師専用コミュニティサイト「Medpeer(メドピア)」を運営するメドピア(東京都渋谷区)のアンケート調査で分かった。

「人間関係と組織が原因であり、健康の問題ではない」

 

調査は2016年8月3〜9日の間、サイト上で実施。「ストレスチェック制度は精神疾患を未然に防ぐ効果があるか」を、会員医師4031人に尋ね、16日に結果を発表した。回答は4択で、「まったく効果はない」が16.8%、「どちらかと言えば効果はない」が45.3%で、「効果なし」が合計62.1%だった。「どちらかと言えば効果がある」は35.6%、「かなり効果がある」は2.3%だった。

 

医師たちは自由記述でコメントを寄せている。「効果はない」と答えた理由はこうだった(抜粋要約)。

「職場ストレスは人間関係と組織のシステムが原因のほとんど。ストレスチェックと面談を行っただけではメンタルヘルスの予防につながらない」
「完全自己申告制なので、『私は会社のせいで病気になった!休ませろ!』タイプばかり引っかかって、本当にうつ状態の人がすり抜ける恐れがある」
「医師主導でやる分には効果はありません。しっかりと人事部幹部にその意味を叩き込んで、責任を持たせ、社長にその意味を分かってもらうようにすれば一次予防の効果は出るでしょうが」
「チェックした事実だけが事務方にとっては重要で、チェック後に何らかの対策がとられた形跡をみたことがない」