「ふなのみくす3 ~ナッシーバカンス北海道篇~」より

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 お盆前の8月10日、湘南のビーチで行われたイベントに登場したのは千葉県船橋市の非公認キャラクター「ふなっしー」。“梨の妖精”という設定と丸みを帯びたかわいらしい仕草、シャウトで大人から子供まで大人気のゆるキャラだ。

 その人気は、イベントを開催すればファンで満員御礼、グッズを出せば飛ぶように売れ、バラエティ番組にも引っ張りだこ。その存在感は不動のもの……かのように見えた。

 しかし、勢いにかげりが見えてきた。語るのは、テレビ局のドラマ制作関係者だ。

「今年1月にフジテレビで放送されたドラマ『ふなっしー探偵』は、フジのドラマ班が鳴物入りで撮ったドラマだったんですが、ゴールデンタイムで視聴率6.8パーセントの惨敗でした。続編はもうないでしょうね」

 これ以降、テレビから姿を消したふなっしーだが、久々に登場したのが今回のイベント。撮影に訪れたテレビカメラも全局というわけではなく、寂しい状況だった。

「今回、テレビ局がこのイベントに来た理由は、ちょうど2日前にインターネットの配信番組に出演していたふなっしーが一般人に頭を殴られるトラブルに巻き込まれていたこと。話題性はあったのですが……」(芸能記者)

■謎の男性マネジャーの存在

 スポーツ紙記者も言う。

ふなっしーは基本的に質問にNG項目がなく、カンも非常に良い。旬の話題を何でも聞ける存在なんです。ただ、この日は前日からおかしな事ばかりでした」

 なんと、あれだけ自由に取材ができていたふなっしーに、マネージャーを名乗る男性が突然出現。「取材の際には事前に質問事項を提出しなければならない」と注文を付けてきたのだ。

 テレビ局が聞きたいテーマは暴力事件以外にもあった。ふなっしーの熱狂的なファンを公言する弁護士の大渕愛子氏(39)が先日、弁護士料の着手金を不当に受け取っていたとして懲戒処分を受けたというニュースを受けての取材だ。ふなっしーからコメントをもらおうとしたのだが、これについても事前にNGが各局に出されていた。

「この一件も、暴力事件もマネージャーは質問禁止に。結局、直接話は聞けて事なきを得たのですが、この男性マネージャーの存在が本当に腑に落ちないんですよね。何をしたいのかわかりませんが、とにかく不可解な応対ばかりしていました」(前出・スポーツ紙記者)

 男性の名刺に書かれた会社のHPを調べてみると、そこにはふなっしー公認と銘打たれた数々のジュエリーが並んでいた。どうやらタレント事務所ではなく、ジュエリーを扱うネットショップのようだ。

 メディアへの露出の減少とともに現れたジュエリー関係の男性マネジャーの存在。黄色い梨の妖精「ふなっしー」は今どこへ向かおうとしているのか。

文・橘カイト(たちばな・かいと)※1979年島根県生まれ。編集プロダクションを経て、フリーに。週刊誌などで芸能関係の記事を執筆。また、民俗学などにも精通し、日本のタブーにも数多く取材。主な著書に『真相!禁忌都市伝説』(ミリオン出版)ほか多数。