公園で遊ぶ子どもは穏やかに育つ

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家のそばに緑あふれる公園や森があると、高齢者や親子連れの憩いの場になるばかりか、思春期の子どもの心まで癒されて、非行の防止につながることが米の南カルフォルニア大学の研究でわかった。

成長期の子どもから荒々しい攻撃性が消え、穏やかな大人に育つという。米の児童青年心理学誌「Child&Adolescent Psychiatry」の2016年7月号に発表された。

精神年齢も2歳〜2歳半早く成長する

研究チームは、都市部にある公園など緑地の存在が子どもの成長に与える影響を調べるため、南カルフォルニア地区の都市に住む9〜18歳の思春期の男女1287人を対象に住居周辺の緑地と問題行動の関連を調べた。

まず、人工衛星のデータから自宅の周辺半径1キロ以内に緑地があるかどうかを調べた。そして、2〜3年ごとに子どもの親にインタビューして、自分の子どもの他人に対する暴力的な振る舞いや物の破壊、学校内外での非行などの有無について詳しく尋ね、ひとり一人の成長記録をつくった。

その結果、緑地が多い地域に住む子どもは、少ない地域に住む子どもに比べ、攻撃性が低いことがあきらかになった。これは、人種や性別、親の収入・経済的地位、婚姻状態などの要素を除外しても同様の傾向がみられた。しかも、特に緑地の密度が濃い地域に住むと、ほとんど緑地がない地域に比べ、思春期の成長年齢が2〜2歳半ほど早く進むことがわかった。それだけ早く大人になるというわけだ。

ただ、研究チームでは、なぜ緑地の存在が子どもの行動を穏やかにする効果があるのかは説明していない。これまでの研究では、(1)植物が空気中に放出する様々な成分が、ストレスホルモンのコルチゾールの分泌を抑え、リフレッシュ効果を与える(2)緑色そのものが安心感や安定、調和を表す色で、気持ちを穏やかにし、心をリラックスさせる効果があることなどがわかっている。

都市部に公園を増やすと、非行を12%減らせる

研究チームのダイアナ・ヨーナン博士は「思春期の子どもの暴力的な行動を減らすことは世界が直面する課題になっています。緑地を増やすことが、その回答の1つです。私たちの試算では、カルフォルニアの都市部全体に適切に公園緑地を配置すれば、子どもの攻撃的な行動を12%減少することができます」と語っている。