米誌フォーブスが発表する世界長者番付には、中国からも複数の富豪がランクインしている。中国の富豪たちの事業内容を見てみると、インターネット関連や不動産関連の事業で財を成した人物であることが分かる。「世界の工場」と呼ばれた中国では製造業から世界有数の富豪は生まれていない。(イメージ写真提供:123RF)

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 米誌フォーブスが発表する世界長者番付には、中国からも複数の富豪がランクインしている。中国の富豪たちの事業内容を見てみると、インターネット関連や不動産関連の事業で財を成した人物であることが分かる。「世界の工場」と呼ばれた中国では製造業から世界有数の富豪は生まれていない。

 中国ではしばしば「中国の製造業は規模こそ大きいが強くない」という言われる。中国政府は製造業の高度化に向けたロードマップを打ち出しているが、現時点の産業としての製造業は規模こそ巨大であるものの、1社1社の競争力は低いという意味だ。

 中国メディアのOFweek工控網はこのほど、中国は過去30年にわたって加工貿易によって発展を遂げ、世界第2位の経済大国となったにもかかわらず、なぜ製造業の分野で富豪がいないのかと疑問を投げかけている。

 記事は、中国の製造業は主に加工貿易であり、世界の産業チェーン全体で見た場合は「安い人件費を背景とした組み立てなどの川下に位置する」と指摘し、高い付加価値を提供できていないことを指摘。さらに、人件費も上昇し始めたことから、すでに中国からは工場の撤退が進んでいるうえ、中国政府が打ち出した高度化もまだ始まったばかりだと論じた。

 さらに、中国が世界の工場になるうえで重要な存在だった人件費などをはじめとする各種コストの安さはすでに失われていると指摘。電力や天然ガスなどエネルギー面もコストや土地の取得費用などはすでに中国のほうが米国より高く、「総合的なコストで見ても、もしからしたら中国のほうが高くなっているかもしれない」と危機感を示した。

 記事は、中国製造業が強くなる前に競争力を失いつつある現状に強い警戒感を示すと同時に、製造業の分野で富豪がなかなか生まれにくい構造であることを「悲哀」であると嘆いている。ただ、中国からも世界に通用するメーカーが現れつつあることも事実であり、世界中で行っている買収を通じて、技術力が向上すれば中国製造業からも将来的にたくさんの富豪が生まれることも有り得る話だ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)