(写真提供=SPORTS KOREA)

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リオデジャネイロ五輪も折り返しを迎えたなか、韓国が危機感を募らせている。柔道は金メダルゼロに終わり、フェンシングやバトミントンでも期待された選手たちが次々と敗退。サッカーに続き、女子ハンドボールや女子バレーも敗退して団体球技種目は44年ぶりに“ノーメダル”となった。目標としていた“10-10”の達成どころか、メダル獲得数で何かと意識してしまう日本にも惨敗するのではないかと危機感を募らせている。

“ファンタスティック・フォー”と呼ばれる所以は?

そんななかで期待を集めるのが女子ゴルフだ。韓国は参加国最多の4人の選手を送り込む。しかも、その豪華な顔ぶれから、どういうわけか “ファンタスティック・フォー”と呼ばれている。

確かにパク・インビ(世界ランク5位)、キム・セヨン(6位)、チョン・インジ(8位)、エイミー・ヤン(9位)と豪華な布陣だ。男子柔道の“アベンジャーズ”といい、どうも最近はアメコミ映画タイトルをキャッチフレーズにするのが韓国の流行らしい。

ちなみに“ファンタスティック・フォー”が昨季稼いだ賞金額を合算すると約114億ウォン(約11.5億円)にもなるが、大韓ゴルフ協会のサポートも手厚い。宿舎として用意したのは選手村ではなく、試合会場から歩いて10分ほどの場所に位置したコンドミニアムタイプのホテルで、朝・昼・晩といつでも韓国料理が食べることができる環境にあるらしい。

ドロ沼の“シンガポール空港カバン事件”を思い起こさせたハプニング”

もっとも、万全を期したつもりでもハプニングは起きるものだ。リオデジャネイロ入りしたチョン・インジもハプニングに見舞われた。

ゴルフバックが、あろうことかロストバゲージになってしまったのだ。

幸い翌日にはゴルフバックも見つかり、元気に練習ラウンドしたようだが、現地で取材している記者によると、チョン・インジ、空港、バックと聞いて、五輪出場権を争っていたジャン・ハナの父親やファンまで巻き込んだドロ沼の場外舌戦にまで発展した “シンガポール空港カバン激突事件”を連想した者もいたとか。

いずれにしても大韓ゴルフ協会は選手取材も極力控え、オリンピックに集中できる環境を整えて、「金、銀、銅を独占するくらいの覚悟で挑んでほしい」と発破もかけているしらい。もちろん、巨額のボーナスも用意している。
(参考記事:日本と韓国どっちが高い? リオ五輪ゴルフ競技のメダル獲得ボーナス額

“ファンタスティック・フォー”に立ちはだかる意外なライバルたち

もっとも、“ファンタスティック・フォー”の前に立ちはだかるライバルたちは多い。

男子と違って女子はブルック・ヘンダーソン(カナダ)、レクシー・トンプソン(アメリカ)、アリヤ・ジュタフガン(タイ)、フォン・シャンシャン(中国)など各国のトップ選手がエントリーしているし、世界ランク1位のリディア・コがいる。リディア・コは韓国系ニュージーランド人だが、実はそのほかにも韓国系選手が多いのだ。

日本からは野村敏京、大山志保が出場するリオ五輪女子ゴルフ。五輪出場を強く希望していた昨季日本ツアー賞金女王のイ・ボミの姿がないことは寂しいが、韓国メディアに東京五輪への抱負を語っていたイ・ボミのことだ。4年後を見据えて、注目しているかもしれない。日本と韓国の選手たちにはイ・ボミの分まで頑張ってもらいたい。

はたしてオリンピック初の女子ゴルフを制するのは、誰か。

ちなみに韓国の大手ポータルサイトのオンライン投票で、最も優勝が期待されているのはキム・セヨン(37.4%)。続いてチョン・インジ(36.7%)、パク・インビ(17.0% )、エイミー・ヤン(8.9%)の順になっていたことを、観戦の小ネタとして付け加えておこう。

(文=慎 武宏)