【今さら聞けない】クルマに暖機運転は必要なのか?

写真拡大 (全7枚)

機械の精度が上がったため今ドキのは基本不要と言われる

暖機は不要と、最近のクルマは取説にも書いてあるほど。実際、しなくてもフツーに走るので、要らないといえば要らない。そもそも1970年代ぐらいまでのクルマは暖機しないと、走り出すことすらできなかったので暖機は絶対必要。要不要を考えるなんてことは意識外だった。

その後も、走り出せるとはいえギクシャクするので、止まって暖機するまでは必要でないものの、各部が暖まって馴染んでくるまではゆっくり走ったほうがいいとされていた。完全に不要と言われるようになったのは21世紀に入ってからだろうか。

なので、結論を言ってしまうとここ10年ぐらいのクルマなら不要だ。技術的な理由としては、やはり各部の飛躍的な精度向上がある。もともとなぜ暖機が必要かというと、各部の精度が悪くて暖めてやらないと所定のクリアランスにならなかったりしたから。

オイルの性能も悪く、粘度も高かったことから各部への浸透もよくなかったなど、さまざまな理由があったのだ。

今は精度も高くて使われている素材もいいものばかり。さらにオイルも油膜は硬いにも関わらず、超低粘度でキチキチに詰められたクリアランス部分にも入っていける。そうなれば暖気が不要というのも当然ではある。

機械モノである以上暖気はしないよりした方がいいのは道理

ただし、どんなに精度が高まろうが機械は機械である。ナラシも同様なのだが、機械である以上、まったくやらないよりはやったほうがいいのは物理的な話しだ。今どきのクルマはナラシも暖機も不要だし問題もないというが、正確にはメーカーが考える常識的な走行距離において故障などの不具合が出ない、という意味である。

たとえば内部表面に被膜を作っていたオイルも1週間もすれば流れ落ちてしまい、次にエンジンがかかったときには摩耗が進む。コールドスタートもしくはドライスタートと呼ばれる状態で、エンジンがヘタる最大の原因と言われているほど。やはり厳密にいうと、暖機は必要で再度オイルが全体に行き渡るまでは無理に回さないほうがいいだろう。

もちろんいきなりフツーに走り出しても目に見えての問題は出ないだろうが、長く乗っているうちにはパワーや燃費に微妙な差が出てくる可能性はある。クルマ好きなら、という条件付きではあるが、しばらく止めていた場合はエンジンをかけてすぐに走り出すのではなく、30秒ぐらい止まったままでオイルが行き渡るのを待つ。

その後走り出すのだが、いきなり全開は避けて、水温計の走りが動き出す(もしくは警告灯が消えるまで)までは抑え気味に走るようにすればいいだろう。ゆっくり走ることはエンジンだけでなく、走らないと動かないミッションや足回りの暖機にもなる。手間はほとんど必要なし。これだけでも十分、愛車をいたわることになる。

(文:近藤暁史)