子供の成績が上がらない原因は夜更かし? 子供にしっかり早寝させる方法

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8月も後半を迎え、そろそろ子供の夏休みも終わりが見え始めました。夏休みの間に夜更かしグセがついていませんか?
 
子供の睡眠は、心身の成長だけでなく学力にも影響するといいます。新学期が始まる前の今だからこそ、我が子の睡眠を見直す必要がありそうです。そこで、睡眠改善シニアインストラクター、早起きコーディネーターとして活躍する内海裕子さんに、子供の睡眠と学力の関係&子供に早寝早起きをさせるコツについて伺いました。

脳が疲れたままだと、記憶力が低下&情処も不安定になる

「睡眠は脳の成長に大きく関係しています。特に幼少期の睡眠は、学力や精神面など、その子の今後の人生を左右すると言っても過言ではありません」と内海さん。
 
早寝早起きを基本とした生活習慣が乱れていたり、成長段階に必要な睡眠時間が不足していると、脳の発達に支障が出て、図を描くなど脳の高度な機能を使う活動が苦手になる傾向があるそう。また睡眠不足により、脳の記憶や空間学習能力に大きく関わっているとされる「海馬」が縮小し、後々アルツハイマーの症状を起こしやすくなることも近年わかってきました。さらには、イライラしやすくなったり怒りっぽくなったりと、情緒不安定になりやすくなるとも言われています。子供の未来のためにも、できるだけ早寝をさせて十分な睡眠を与えることが大切なのです。
 
「また、睡眠と学力の問題は、学校に通うようになると成績という形で現れます。幼児だけでなく、当然ながら就学児にも早寝早起き&十分な睡眠時間が大事です」(内海さん)
 
小学校4年生〜6年生を対象にした学力と就寝時刻の関係の調査によると、学力上位群の子ども達の就寝時刻は21時30分までに集中。22時以降に布団に入る子どもは、学力下位の傾向であることが判明しているとのこと。
 
「睡眠をたくさんとることで脳は記憶を固定するといわれています。寝ることで学んだことがしっかり身に付くのですね」と内海さん。

子供の生活リズムを決めるのは、親の生活リズム!

当然ながら、子供は自分から望んで生活リズムの乱れや睡眠不足を引き起こしているわけではありません。特に小さいうちは、親の不規則な生活リズムに影響を受け、子供の生活リズムが決まってしまいます。逆に、子供の早寝早起きリズムをつくるカギも、親の生活リズムにあると内海さん。
 
「母親の睡眠時間が短いと子供も睡眠時間が短く、父親が遅寝だと子供も遅寝という調査結果が出ています。日本のママはとても働き者で、遅寝早起き&睡眠不足の傾向が強いのですが、ママが早く起きると、ママを求めて子供も早く起きる傾向があるのです。また、日本のパパは働き者の上に、子供との時間を大切にしたいと思っている方が増えているため、深夜に帰宅してから子供を起こして一緒にお風呂に入ったり、スキンシップをはかったりという人も少なくないようです。でも、その愛情が裏目に出てしまうのです」
 
成長ホルモンは深い睡眠時に分泌が増加しますが、途中で睡眠を妨げてしまったり、深い睡眠の時間が短かったりと、浅い睡眠が続くと分泌量は減少してしまいます。深夜に帰宅したパパが子供を起こすのは、子どもの睡眠を浅くし、成長を妨げている行為なのです。
 
「子育ては量ではなく質。ぜひ子供の心身、脳の成長のために早寝を心がけ、十分な睡眠時間をとってあげてください。また、スキンシップの時間が足りないと感じていたら、平日の夜遅くではなく、週末の日中にたっぷりと時間をとってあげましょう」(内海さん)

子供に早寝早起きさせるコツとは?

しかし、親は早寝早起きを指導しているのに、子供が言うことを聞いてくれないというケースもあります。そこで、内海さんに子供を早寝早起きにさせるコツについて具体的に教えてもらいました。
 
「子供は少なくとも21時前後に寝かせましょう。まず早寝させるには、時間になったらすべてを強制終了して寝る環境をつくることが大切。我が家では20時30分ごろから、蛍光灯やLED等の明るい電気を全部消して、眠りにつきやすいオレンジ色の柔らかい光の間接照明に切り替えます。また、早起きさせるには、太陽の光をたっぷりと浴びることを習慣づけると良いですよ。子どもだけにやらせるのではなく、親子で一緒に習慣づけることが近道。子どもに実行させるには親の行動も重要です」
 
「早寝早起きは子供のこれからの健康と知力のベースをつくる、“命のリズム”」と話す内海さんに、早寝早起きの8カ条をまとめていただきました。

子供に早寝早起き習慣をつけるにはママだけでも、パパだけでもダメ。家族全員で取り組む。子供は21時前後に寝かせる。お風呂は、寝る1時間30分前には済ませる。20時30分には、部屋の電気を消して間接照明に切り替え、眠る環境を演出。「テレビが観たい、ゲームをやりたい!」と子供が言っても、心を鬼に。朝はできるだけ、毎日同じ時間に起きる。朝起きたら太陽の光を浴びさせる。これによって精神が安定し、気持ちを前向きかつ意欲的にしてくれる「セロトニン」をしっかり分泌させる。昼寝をするなら、夜の睡眠に影響が出ないよう15分程度におさえる。

 
「兄弟がいる場合は、二人で遊びに夢中になって寝るのを嫌がったり、成長に従って親の言うことをなかなか聞いてくれない場合もあります。その際は、早寝早起きをさせるためのルールづくりが大切。『テレビやゲームは◯時まで』と決めましょう。子供のときの良い睡眠習慣が、大人になったときの不眠症や睡眠障害も防ぐので、ある程度大きくなるまでは親がコントロールしてあげるべきですね」と内海さん。
 
早寝早起きが習慣化し、体内時計が整いはじめると、幼少期の子供の場合は特に、朝は早起きができるようになり、夜は21時頃には眠くなるような自発的なリズムが顕著に現れてくるのだそう。
「リズムが身についていると、『今日は特別に遅くまで起きていてもいいよ』といっても、時間がくると眠ってしまいます」(内海さん)
 
今夜からでも遅くはないので、子供の心身と脳の成長のためにも、家族で早寝早起きを始めてみましょう!
 
監修:内海裕子(睡眠改善シニアインストラクター・「子供の早起きをすすめる会」認定 早起きコーディネーター)
 
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photo:Thinkstock / Getty Images