外務省によれば、日本はフィリピンのマニラ首都圏における「南北鉄道計画」のうち、マロロス市からマニラ市ツツバンまでの約38キロメートルの区間を整備するための円借款を提供する。マニラ首都圏の交通ネットワークの強化と、深刻な交通渋滞の緩和が期待されているという。

 中国メディアの東方頭条はこのほど、中国とフィリピンの関係が悪化するなか、日本がフィリピンの鉄道計画に援助を行うことについて、中国の一帯一路戦略に対する影響が出かねないとして懸念を示す記事を掲載した。

 記事は、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は選挙時の公約として鉄道建設を掲げていたことを指摘し、新たに4路線の建設を計画していると紹介。2016年5月、ドゥテルテ大統領は中国にも鉄道建設で協力を仰ぐ旨の発言をしていたと伝える一方、南シナ海をめぐって中国とフィリピンの関係が悪化している今、「日本は機に乗じて、フィリピンの鉄道建設受注に向けて攻勢をかけてくる可能性がある」と論じた。

 続けて、ドゥテルテ大統領がミンダナオ島の鉄道建設を日本に任せた場合、「日本はフィリピンのインフラ市場に深く食い込むことになる」とし、フィリピン側の中国マネーに対する需要度合いも低下すると指摘。そうなれば、フィリピンも中国と積極的に対話を行う必要性が薄れるとし、南シナ海問題をめぐる中国とフィリピンの関係緩和にとって不利になると論じた。

 日本はすでにタイと新幹線導入を前提とした覚書を交わした。また、マレーシアとシンガポールを結ぶ越境高速鉄道においても日本と中国が受注を争っているが、日本が受注することになれば、中国の一帯一路戦略は大きな軌道修正を迫られることになるだろう。記事は、日本がフィリピンのインフラ市場に深く食い込み、主要なプロジェクトを受注することになれば、中国の一帯一路戦略にとって不利な影響が出る可能性があることを指摘、中国とフィリピンの関係が悪化するなかで、日本がフィリピンのインフラ市場に食い込むことに強い警戒感を示している。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)