この10年、猛烈な勢いで国内の高速鉄道網を整備してきた中国。鉄道自体はできたものの、沿線の不動産開発など高速鉄道に付随するビジネスの発展には時間がかかりそうである。「ゴーストタウン」ばかりでは、高速鉄道建設自体に対する疑問の声も出現しかねない。(イメージ写真提供:(C)rihardzz/123RF)

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 この10年、猛烈な勢いで国内の高速鉄道網を整備してきた中国。鉄道自体はできたものの、沿線の不動産開発など高速鉄道に付随するビジネスの発展には時間がかかりそうである。「ゴーストタウン」ばかりでは、高速鉄道建設自体に対する疑問の声も出現しかねない。

 中国メディア・澎湃新聞網は15日、高速鉄道について「輸送以外に、どういった方法でお金を稼ぐことができるのか」と題した記事を掲載した。記事は、日本の新幹線を取り巻くビジネスの展開と対比する形で、中国の高速鉄道の状況について解説している。

 まず、東海道や東北、山陽といった主要な新幹線を持つJR各社は、鉄道輸送収入を確保するだけでなく、新幹線周辺のビジネスにおいても少なからぬ収入を得ていると紹介。その大きな要因に「在来線の駅と組み合わせた駅の立体化設計」による商機の掘り起こしがあると説明した。

 そのうえで、中国高速鉄道の駅は「多くが平らな設計であり、なおかつ都市の中心から離れた場所にある。その機能も日本に比べて単一的だ」と指摘。現状では日本の新幹線のように付随ビジネスの利益を得られない状況であるとする一方で、「高速鉄道駅を郊外に設置した理由は他にある」とした。

 記事はその理由について、中国では地方の都市化が急速に進んでいる状態であり、高速鉄道駅が将来の都市の中心的存在になること、高速鉄道を利用する潜在的な人数も遥かに日本の新幹線より多いことを挙げた。さらに、高速鉄道網の規模が日本より大きく、高速鉄道の駅と在来線の駅をドッキングさせることが難しい点、都市部に駅を建設すると、再開発や高架化のコストがかさむほか、線路のカーブが多くなり、低速運行を余儀なくされるうえ、安全リスクも高まるといった点を示している。

 中国と日本では、高速鉄道を取り巻く環境が大きく異なり、日本の取り組みやモデルをそのまま中国で実施するのはほぼ不可能と言えそうだ。日本を始めとする他国の事例を参考にしながら、国情に合わせて中国ならではの高速鉄道周辺のビジネスモデルや、沿線開発のあり方について模索しなければならない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)rihardzz/123RF)