カンボジアの川底に残る男性器1000本……信仰と行楽を兼ねた聖山とは

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紛争、虐殺、地雷とカンボジアには危険なイメージがつきまとうが、ここ最近は政情も安定し、市民の表情は貧しいながらも明るい。我々日本人は「教えて!goo」に「カンボジア人の考え方」との質問が寄せられるようにカンボジア人と接する機会はあまりない。シェムリアップ市民の憩いの地という聖山「プノン・クーレン」を尋ねてみた。

■信仰と行楽を兼ねた憩いの地

プノン・クーレンはアンコール王朝の発祥地とされる聖山だ。上流の川底の石や山奥の岩に彫られた遺跡を探索したり、巨岩の頂上部に彫られた涅槃像を拝むために急坂を登ったり、下流にある落差20mの滝で水浴びしたり。信仰だけではなく、ピクニックも楽しめる。

観光拠点のシェムリアップからバスで1時間半ほどで到着。焼きバナナや小さな貝類を干したものなど様々な屋台が出ている。物欲しそうに眺めているとガイドが「貝は絶対ダメ」と念を押してくる。蓮の花を購入し、巨大な一枚岩の頂上部に造立された涅槃像に祈りを捧げてきた。

次に川の上流にある遺跡を見学。水底に男性器をかたどった千本リンガと呼ばれる無数の丸い穴が見える。リンガの上を通った水に神々の力が宿るとされ、下流で水浴びすることでその力を授けてもらうわけだ。

涅槃像のあった寺院では、男性と女性の性器を模した手水場があり、腰を屈めた男性が頭に水を浴びていた。精力増強、子宝を願ったのだろうか。

■滝壺から響く歓声

下流にある滝付近まで歩いていくと、テラスに並んだパラソル席のように細かく区分けされている一角が現れた。宗教的な意味合いのものらしいが、昼時には家族らグループで固まり楽しげに食事を取っていた。近くの川では子供たちが川辺の岩から飛び込んだり、大人たちが滝に打たれたり、歓声が響き渡ってくる。

カンボジアには長期間の紛争や軍事政権による大量虐殺など粗暴な印象がつきまとうが、街で出会った市民は笑顔を絶やさない穏やかな人ばかりだった。マーケットで買い物をしてもお釣りをごまかすことなく、屋台で買った焼きそばを食べ終わると店員が駆け寄りゴミを回収してくれる。とにかく親切なのだ。

シェムリアップはポルポト派の拠点だった。行楽する機会など長らくなかったことだろう。プノン・クーレンでも観光ルートを外れると、今も相当数の地雷が残っているという。

この日見た穏やかな光景が、紛争が続くカンボジアの束の間の休憩ではなく、彼らの笑顔がいつまでも続きますように。

【カンボジアへのアクセス】
日本から直行する定期便はないものの、ベトナムのハノイ、ホーチミンで乗り換えれば7〜9時間でシェムリアップに到着できる。(取材協力:ベトナム航空)

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)