離婚のショックから立ち直るには? 科学が立証した「破局と感情」に関する6つの事実

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ものごとには、始まりがあれば終わりもあります。結婚もそう。死が2人を分かつこともあれば、様々な理由で離婚を選択するケースもあります。

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厚生労働省の統計によれば、平成26年の離婚件数は22万2,107組。約2分20秒に一組が離婚している計算になります。

「別れ」の感情的な余波について、科学的にはどんなことが言えるでしょうか。じつは、科学でも「別れ」は重要なテーマ。近年もいくつもの研究がおこなわれているのです。

海外で発表された研究結果を参考に、「別れ」に関するゆるぎない6つの事実を見てみましょう。

1:離婚の予兆は無意識に表れている

破局には、前もって「サイン」が出ているもの。これは科学的にも証明されています。

2010年の研究で、222人の有志を対象に、パートナーの名前とそれに関連する言葉を2つ挙げてもらう、という実験が行われました。

挙げてもらった言葉がポジティブな意味を持っていると思えば「ポジティブ」のボタンを、ネガティブな意味を含んでいると思えば「ネガティブ」のボタンを押してもらったのです。

実験の結果、パートナーにネガティブな感情を持つ人ほど「ネガティブ」ボタンを押すまでのスピードが速いことが分かりました。表面上はネガティブな感情を抑えていた人にも、これは当てはまりました。

研究者らは「破局のもっとも早いサインは、無意識のうちに態度に現れる」と結論しています。

2:女性の方が傷ついている

誰もが失恋を経験します。しかし、そのときどんな感情を持つかは、性別によって違います。

2015年に発表された研究では、96カ国、同性愛者を含む5,000人以上に破局の精神的な痛みを10点満点で数値化。すると、女性の破局後の苦痛は平均6.84。男性は6.58と、やや低めでした。

これは、破局の後、女性の方が男性より感情的な苦しみをより強く感じるということの証明です。研究では、女性はときにだるさや胸の痛みなど肉体的な痛みさえも感じている、と指摘しています。

3:立ち直るためには傷つくことも大事

別れのあとにつらい思いをするのは“健康的なこと”――そう科学は証明します。

2015年に報告された研究は、最近別れを経験した人々に集まってもらい、別れに対する感情を打ち明け合ってもらう、というもの。このセッションの後、参加者たちの精神面のダメージは明らかに回復していたのです。

実験を行ったノースウェスタン大学の研究者、グレイス・ラーソン氏は「最初のうち、このセッションは破局の事実を思い起こさせ、精神的な回復を遅らせるかに見えました。しかし、長期的には破局を乗り越える助けになっていたのです」と説明しています。

4:しかし囚われすぎてはいけない

しかし、破局後にしてはいけないこともあります。それは、別れた相手に対して関心を持ちすぎること。

20歳前後の女性500人に行った、破局後のFacebook利用に関する調査では、別れたパートナーのFacebookページをチェックするのに時間をかける人ほど、破局の精神的ダメージが長引き、自分自身の成長に結びつけられていなかったのです。

逆に、別れたパートナーと完全に関係を絶つことにも注意が必要。この研究では、パートナーとFacebook上の“友だち”ではなくなることは、相手を謎めいた存在にし、かえって関心を持ちやすくしてしまう、とも指摘しています。

「愛情」の対義語は、「憎しみ」ではなく「無関心」。なるべく早く、元パートナーに無関心になることが、前に進む一番の方法なのです。

5:破局は脳にとっての“快楽”?

「無関心」が破局のダメージを減らすもっともよい方法である、ということを示す研究がもう一つあります。

2010年の神経生理学に関する実験では、別れた相手を忘れられない男女を対象に、友人・顔なじみ程度の知人・元パートナーの写真を見ている状態で、それぞれ脳のスキャンを行いました。

すると、元パートナーの写真を見ているときに、参加者の中脳にある腹側被蓋野がもっとも活発になったのです。この領域は恋をするときや報酬を前にしたときなど、快楽を生む活動によって活発化する部分です。

ただし、その反応は時間とともに風化するそう。元パートナーを思い起こさせるものを見ないようにすれば、やがて消えていきます。

6:心の傷が癒えるのにかかる時間

破局はつらい経験ですが、希望の光はあります。わたしたちは、その悪い面をおおげさにとらえすぎています。

人が感情を回復させるのに、平均20週かかると言われています。しかし、2008年に発表された実験的社会心理学の研究では、その2倍のスピードで立ち直ることが示されました。

被験者は、70人の大学生。彼らに毎週、人間関係について尋ねました。質問のうちのいくつかは、愛した人との破局についてのものでした。

実験中に破局を経験したのは26人。彼らが、精神的に回復するまでにかかった時間は平均10週でした。

実験を主導したノースウエスタン大学のポール・イーストウィック氏は「人生は、破局の連続です。ですが、ポジティブな出来事が精神の回復を早めることを忘れてはいけません」と指摘します。

客観的事実だからこそ、ショックでもあるけれど希望にもなる――離婚に傷ついたり、離婚が頭をよぎったりしたら、そんな科学の力を借りてみるのも、いいかもしれません。