大人も要注意!医師が教える百日咳の予防法

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名前の通り、しつこい咳が何日も続く百日咳(ひゃくにちぜき)。百日咳菌による感染症で、もともとは乳幼児期にかかる病気というイメージだったが、近年では乳幼児期に受けた予防接種の効果が薄れてきた成人が発病することも増えているのだとか。

「教えて!goo」には「百日咳みたいです。病院へは行ったほうがいいですか?」という質問が投稿されているが、「成人ならば感染しても重篤な症状はないとのことですが、周囲への感染源となってしまうので、(特に赤ちゃんですね)やはり病院へ行って早期の治療をした方が良いかと思います」(sundaliaさん)、「喘息の可能性もありますし、肺炎や気管支炎、マイコプラズマ感染など他の病気の可能性も考えられます」(sodenositaさん)などの回答が寄せられた。

早期に病院へ行くのに越したことはないが、一体、百日咳になるとどのような症状が出るのだろうか。医師に聞いてみた。

■乳幼児ほど重篤化。大人は咳が長引いて骨折する場合も……

お話を伺ったのはAll About「家庭の医学」ガイドである清益功浩先生。乳幼児に発病する場合と成人してから発病する場合では、症状にどのような違いがあるだろうか。

「乳幼児では、無呼吸や呼吸困難を起こします。百日咳の典型例は、短い連続した咳が『コンコンコン』と5〜10回発作的に続き(スタカット)、その後『ヒィー』と息を吸い込む発作(ウープ)を繰り返します。この繰り返しを『レプリーゼ』と呼んでいます。このレプリーゼは夜間に増悪することが特徴になります。大人の場合は、ひどい咳が長引き、肋骨骨折することもあります」(清益先生)

「たかが咳」だと侮ることなかれ。骨折する場合もある百日咳だが、予防するにはどのような方法があるのか聞いてみた。

「乳幼児では、早期にDPT‐IPVである4種混合ワクチンを行います。また、大人や上の子からの感染が多いので、大人や上の子が咳をしているときには、マスクをして、乳幼児に感染しないようにします。乳児はまだ歩行できませんので、感染した場合、周りからの感染になります。乳児ほど、呼吸困難を起こし、重症化します」(清益先生)

4種混合ワクチンは生後3ヵ月から受けることが可能。一方、大人は早期に診断して、早期に治療を行うことが肝心なのだとか。

「咳がひどい時には、ワクチンの効果が薄れている大人では早期に医療機関を受診し、検査して治療することが必要です。ただし、現在の保険診療では百日咳の抗体検査しかなく、結果が出るまでに1週間程度かかります。手洗いやうがい、人混みではマスクをしておくこと、安易に咳のひどい人の所に近づかないなどの予防法がありますが、実際に行うには難しいこともあります」(清益先生)

特に都心部で生活している人にとって、咳のひどい人に近づかないというのは困難だ。不安な人は、大人でも百日咳ワクチンを打つことは可能とのこと。ただし保険適用外なので自費となる。

■通年、注意が必要な病気

では、百日咳はいつ流行するのだろうか。

「春から夏にかけて流行することがありますが、秋、冬でもみられ、季節による差が少ない感染症です。春に多い原因として、人と人との新規の接触が高いせいかと思われます。百日咳は、1人感染した人が16人〜21人の人に感染させる可能性があるほど、感染力の強い病気です。季節性よりも感染者が発生するかどうかと、抗体を持っている人がどの程度いるかによって、流行の規模が異なってきます」(清益先生)

年間を通じて感染する可能性があり、ワクチン接種以外にはこれといった対応策も取りづらい百日咳。乳幼児の場合、なるべく早めに予防接種のスケジュールを立てることが大切だ。大人の場合は自分が抗体を持っているかどうか、まずは検査してみるとよいかもしれない。

●専門家プロフィール:All About「家庭の医学」ガイド 清益 功浩(きよます たかひろ)
医学博士。日本小児科学会認定専門医、日本アレルギー学会認定専門医・指導医。他にもメンタルヘルスマネジメント始め、法律、経済、化学などについて多岐に渡る資格を有する。

(酒井理恵)

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)