『基礎代謝UPで燃えるカラダを作る プロテインダイエットレシピ』(山崎志保/河出書房新社)

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 近年、ダイエットを始めとする美容の分野においても、タンパク質の重要性が指摘されるようになってきた。タンパク質は私たちの身体を構成している大切な栄養素だ。筋肉や血液はもちろんのこと、美肌には欠かせないコラーゲンだってタンパク質でできている。本書『基礎代謝UPで燃えるカラダを作る プロテインダイエットレシピ』(山崎志保/河出書房新社)の冒頭部分において、著者は次のように述べている。

タンパク質が不足すると体力が低下し、肌荒れ、抜け毛、免疫機能の低下、貧血、食欲不振、疲れが取れにくいなど、さまざまな不調となって現れます。運動している人が筋肉作りのために摂取するものと思われがちですが、筋肉をはじめ、髪の毛、内臓、爪などの形成に関わり、すべての人の健康維持に欠かせないものなのです。

 タンパク質のことを英語で「プロテイン」と呼ぶが、その語源は「もっとも大切な」という意味のギリシャ語なのだそうだ。そんな私たちにとって「もっとも大切な」タンパク質は、とったそばから私たちの身体のあちこちで消費される。取りこんだタンパク質には消費される優先順位があって、内臓や血液を作ったり、傷ついた細胞を修復したり、生命維持に関わる部分から使われていくのだそうだ。そして肌や筋肉といった美容に関係のありそうな部分は一番優先順位が低いらしい。そのためタンパク質が十分足りないと肌や髪などにまで栄養が届かない――つまり、美人にはなれないのだ。

 艶のある髪やハリのある肌、あるいは筋肉量が多く基礎代謝が高い身体。これらを手に入れ、健康美人になるためには、タンパク質を十分に摂取しておく必要がある。しかもタンパク質は体に蓄えておくことができないので、毎日コンスタントに補給しなければならない。しかし高タンパクの食材には、脂質が多いものも多い。そのため、必要なすべてのタンパク質を食事でまかなおうとすると、カロリーオーバーに陥ってしまう可能性がある。特に運動習慣があり、タンパク質を多めにとらなければならない人はこのパターンに当てはまりやすくなる。このことは、とりわけダイエット中の人にとっては大きなマイナスといえるだろう。

 そこで著者が注目したのが、タンパク質を補うためのサプリメント、プロテインパウダーだ。プロテインパウダーは、高タンパク質、低糖質、低脂質で、少ないカロリーで効率的にタンパク質をとれる食品だ。しかも著者によると、常温保存が可能で腐敗するおそれがない分、肉や魚よりも経済的らしい。水や牛乳などに溶かすだけで飲める手軽さも魅力的だ。

 しかしプロテインパウダーは便利な反面、飲み方が単調になりがちで飽きやすいという欠点がある。さらに液体に溶かしても独特の粉っぽさが残るため、食感に関しても好き嫌いが出やすい。ところが、そんな扱いの難しいプロテインパウダーが、著者の手にかかると見るからにおいしそうなパンやスイーツに変貌する。輝かしい戦績を持つボディビルダーであると同時に、お菓子作りやパン作りを趣味としている著者。長年試作を重ねた結果、著者はプロテインパウダーを素材として使いこなす技術を編み出した。プロテインパウダーを「粉」として、小麦粉などの代わりに使用することにより、従来では考えられなかったようなアレンジを可能にしたのである。その研究成果を、1冊のレシピ本としてまとめあげたのが本書である。本書にあげられたレシピを少し紹介してみよう。ティラミス、フォカッチャ、カニクリームコロッケ……ダイエット中に食べることをためらってしまうような品々が並んでいる。しかも通常のレシピとくらべて、すべて高タンパク質低カロリーである。

 本書は、プロテインパウダーのイメージを根本からひっくり返す、革命的なレシピ本である。プロテインの愛用者はもちろん、リバウンドしづらいダイエットをしたい人などにもおすすめの1冊だ。

文=遠野莉子