日本とタイはこのほど、バンコクとチェンマイを結ぶ高速鉄道路線に新幹線を導入することを前提とした協力覚書に署名した。タイとの覚書署名は新幹線の輸出を推進する日本にとって大きな前進であり、高速鉄道市場における中国との競争においても一歩リードすることを意味する。(写真はタイの首都・バンコクの高架鉄道システム、写真提供:123RF)

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 日本とタイはこのほど、バンコクとチェンマイを結ぶ高速鉄道路線に新幹線を導入することを前提とした協力覚書に署名した。タイとの覚書署名は新幹線の輸出を推進する日本にとって大きな前進であり、高速鉄道市場における中国との競争においても一歩リードすることを意味する。

 香港メディアの鳳凰網はこのほど、日本とタイが覚書に署名したことについて、「日本が中国の手中からタイ高速鉄道を奪い去ったことを意味するのか」と題する記事を掲載し、日本がタイで中国の邪魔をすれば、中国が東南アジア諸国と経済共栄圏を構築するという戦略の実現にとって不利となると主張した。

 中国は雲南省からラオスを経由し、タイを結ぶ高速鉄道路線を提案しているが、記事は「タイが日本と覚書に署名した路線は中国が提案している路線とは別」であると指摘し、中国が提案している路線は「中国にとって東南アジア諸国をもっとも短距離でつなげることができるうえ、政治的な安定性や沿線都市の経済発展の水準から見てももっとも合理的な路線である」と主張した。

 さらに、中国が提案している路線は一度はタイと合意に達したとする一方、タイは2016年3月になって自国の資金で建設し、中国の資金を受け入れないと発表したことを紹介。また中国にとって都合の悪いことにタイは一部区間のみ建設し、ラオスにつながる残りの路線は延期すると発表したことを伝え、「中国がラオスまで高速鉄道を建設しても、タイと連結することができない」と指摘した。

 タイ高速鉄道市場における日本と中国の争いは単に交通インフラをめぐって争っているわけではない。中国にとってタイは「汎アジア鉄道」構想を実現するための重要な市場だからだ。これに対して記事は、「日本が中国の邪魔をすれば、中国が東南アジア諸国と経済共栄圏を構築するという戦略の実現にとって不利となる」と主張し、日本の動きに対して警戒感を示している。(編集担当:村山健二)(写真はタイの首都・バンコクの高架鉄道システム、写真提供:123RF)