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少し前まではVisaカードといえば、クレジットカードのことを指していたが、ここ数年でデビットカードやプリペイドカードが急速に普及したことで、現在はクレジットのみを指す言葉ではなくなった。

そもそもVisaやMasterCard、JCBなどは、世界規模での決済サービスを提供する会社・団体(=国際ブランド)のことであり、たとえばVisaのロゴが入ったカードであれば、基本的にはクレジット・デビット・プリペイドを問わず、世界中のVisa加盟店で買い物ができる。では、クレジット・デビット・プリペイドは、何が違うのか。項目ごとに比較していこう。

○クレジットは後、デビットは即時、プリペイドは事前に支払い

まず最大の違いは支払い方法。簡単に説明すると、クレジットは後払い、デビットは預金口座から即時引き落とし、プリペイドは事前にチャージした残高から支払う。また、クレジットは分割払いやリボ払い、ボーナス払いもできるが、デビットとプリペイドは1回払いしかできない。これは残高不足になることを避けるためで、同じ理由からデビットとプリペイドは月々の支払い、正確な代金が後から決まる支払い、即時に残高確認ができない場所での支払いなど、加盟店の業種や利用形態によっては利用できない場合がある。利用できる店舗数を比較するなら、クレジット>デビット>プリペイドとなる。

しかし、クレジットは後払いとなるため、審査で支払い能力があると認められなければカードを発行してもらえないが、デビットとプリペイドは原則として審査なし。デビットは発行する金融機関の口座を作成し、年齢条件(15〜18歳程度が一般的)さえ満たしていれば発行される。プリペイドは口座作成の必要もなく、カードによっては年齢条件すらない。

○ポイント還元率・為替手数料は?

続いてはポイント還元率。カードによって制度は異なるものの、クレジットカードは還元率1%を超えるものも珍しくないが、デビットやプリペイドは0.5%以下のものがほとんど。ただし、デビットのなかにも還元率1%の「楽天銀行デビットカード(JCB)」、ソニー銀行の預金残高などに応じて還元率が0.5〜2%まで変動する「Sony Bank WALLET」などがあり、プリペイドでも「LINE Pay カード」は2%の突出した還元率を持つ。

海外で利用する機会がある場合は、為替手数料にも気をつける必要がある。クレジット・デビット・プリペイドともに、海外では各国際ブランドが定める為替レートに対して、カード会社が定める手数料が発生する。カードによって手数料率は異なるものの、クレジットカードは1.6%程度が一般的で、デビットやプリペイドは3%程度に設定されていることが多い。ただし、クレジット並みに低く抑えられたものあり、前述の「Sony Bank WALLET」や住信SBIネット銀行の「Visaデビット付キャッシュカード」は、対象の通貨であれば外貨預金から直接支払うことも可能。外貨でチャージできるプリペイドも発行されている。

海外の対応ATMで現地通貨を引き出すときも、為替手数料は基本的に同じだが、クレジットの場合はキャッシング日から返済日までの利息がかかる。デビットやプリペイドは利息はかからないので、比較する場合は為替手数料と利息の両方を考える必要がある。なお、クレジットはキャッシング機能つきのカードのみ、プリペイドは一部の海外利用向けカードのみ、現地通貨を引き出すことができる。

○不正利用の被害に遭った場合は?

セキュリティ面についても触れておきたい。もし不正利用の被害に遭った場合、ほとんどのクレジットとデビットは、よほどの過失がない限りは、各社が定める期間・金額の範囲内で補償を受けられる。プリペイドも一部で補償制度つきのカードはあるが、一切補償を受けられないカードも少なくない。ただし、プリペイドはチャージした金額以上に被害は出ないというメリットもある。

また、デビットとプリペイドは、利用すると即座にメールが届く機能を持ったものが多いため、身に覚えのない利用があった場合も気づきやすい。デビットの多くは利用限度額を自由に変更でき、プリペイドは使わないときにロックできるものもある。ネット決済専用のカードレスタイプであれば、カード番号を自分で変更することも可能だ。

一般的なスペックで比較するなら、お得度や使い勝手はクレジットに軍配が上がる。しかし、審査やセキュリティ面ではデビットやプリペイドにもメリットはある。これらの要素を踏まえると、子供にデビットやプリペイドを持たせてお小遣いを振り込む、ネットショッピングではカード番号を変更できるプリペイドを使うといった利用方法が考えられる。心理的な部分では、残高の範囲内でしか使えず、即座に利用額が引かれるデビットやプリペイドのほうが、使いすぎの防止にも役立つだろう。それぞれの特徴を踏まえて、上手に使い分けよう。

<著者プロフィール>

タナカヒロシ(ライター・編集者)

普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。3月7日発売の『最強クレジットカードガイド2016 本当にトクするカードの選び方・使い方=写真=』(角川マガジンズ)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。
※画像と本文は関係ありません

(タナカヒロシ)