都心から車で約1時間半。埼玉県さいたま市岩槻区に、日本国内では珍しい小型無人飛行機「ドローン」専用の屋内飛行場「Acro+」が登場した。倉庫を利用した敷地内には、初心者用の練習場、さらに、操作を熟知したベテランでも楽しめる約1万8000発ものLEDを設置した幻想的な雰囲気のレース場も備えている。

 東北自動車道・浦和インターから車で約10分、田畑と倉庫や工場の並ぶ土地に見えてくる「Acro+」と書かれた大きなフラッグが目印となる。埼玉高速鉄道・浦和美園駅からは無料送迎もあるのがうれしい。

初心者からプロまで楽しめるドローン専用屋内飛行場「Acro+」に行ってみた!

 運営者は、株式会社板橋商店。施設を案内してくれた取締役の板橋行雄さんによれば、会社で保有していた倉庫の新たな利用方法を考えている中で、ドローンに着目したとオープンまでの経緯を語ってくれた。きっかけは今年1月頃。「海外のドローンレースの動画を見て、日本でもこういった場所を作りたい」と思ったという。

初心者からプロまで楽しめるドローン専用屋内飛行場「Acro+」に行ってみた!

 じつは、日本に先行して海外ではドローンによるレースも盛んだ。Youtubeではカメラを搭載したドローンによる「FPV(1人称視点)」の映像が多数アップされ、さながら映画『スターウォーズ』のポッドレースのような臨場感が味わえると人気に。今年3月にドバイで行われた初の世界大会「ワールド・ドローン・グランプリ」では26か国から150以上ものチームが参加。賞金総額1億2000万円の栄光を勝ち取るべく、たくさんの国々からの競技者がしのぎを削った。

 日本では今年7月29〜31日にかけて、地方創生プロジェクトとしてドローンの「近未来実験実証特区」に選ばれた秋田県仙北市で、国内では初めての大規模な競技会「ドローンインパクトチャレンジアジアカップ」が開催された。

初心者からプロまで楽しめるドローン専用屋内飛行場「Acro+」に行ってみた!

 今年6月18日のオープンから「週2回〜3回、足繁く通ってくださる方もいらっしゃいます」と答えてくれた板橋さん。自身は元々、専門学校でラジコンを操っていた経験もあるというが、「初めはホバリング(機体を空中で静止させること)から。みなさんだいたい1か月ほどするとある程度思うように飛ばせるようになりますね」と、実際の感触を語る。

初心者からプロまで楽しめるドローン専用屋内飛行場「Acro+」に行ってみた!

 初心者用練習場では、板橋さんをはじめとするスタッフのみなさんがマンツーマンで指導してくれる。練習用の機体には、お客さんと指導者それぞれのコントローラーを接続。教習車のように隣り合って教えてくれるので、手ぶらでゼロからドローンの操作を学びたい、体験したいといった人でも安心だ。

初心者からプロまで楽しめるドローン専用屋内飛行場「Acro+」に行ってみた!

 レース用のFPVコースは、幅9m×奥行き20m×高さ6mの空間に、約1万8000発ものLEDからなるシグナルを設置。手前に設置された大型モニターに、最大3台まで飛行中の映像をリアルタイムに投影できる。

初心者からプロまで楽しめるドローン専用屋内飛行場「Acro+」に行ってみた!

 競技の参加者はドローンからの映像を受信できるゴーグルを装着。セッティングを行う作業台や充電スペースも確保されている。実際、スタッフの方にデモンストレーションを見せてもらったが、専用コースを8の字に駆け抜けるドローンの風圧が、その音からも十分に感じ取れるほど迫力満点だ。

初心者からプロまで楽しめるドローン専用屋内飛行場「Acro+」に行ってみた!

 板橋さんはこの場所をきっかけに「ドローンを自由自在に操れる人たちはもちろん、技術を指導できる人たちを育成していきたい」と次なるステップへの期待を込める。現在、各産業での活用も期待されるドローンだが、実際に研修目的で訪れる人たちも多いという。

 また、遊びながら学ぶ子どもたちは大人と比べて、とりわけ「上達が早い」と板橋さんは印象を語ってくれた。未知なる可能性を秘めたドローン。日本でもようやく認知される存在となってきたが、実際に体験すれば未来を身をもって味わえるはずだ。

◎ドローン専用屋内飛行場「Acro+」
http://www.itabashi-shouten.co.jp/rc/

〒339-0035 埼玉県さいたま市岩槻区笹久保新田352
連絡先:048-872-7181/acroplus@itabashi-shouten.co.jp
営業時間:11:00〜20:00(毎週木曜 定休)
時間利用(1時間・税込み):一般/400円、ジュニア/200円
※1日利用・会員制度あり

取材・文・写真=カネコシュウヘイ