中国メディア・第一財経は10日、日本と中国が受注を争うシンガポール-マレーシア高速鉄道について、日本が掲げる強みと、受注に対する意気込みについて紹介する記事を掲載した。(イメージ写真提供:(C)chuyu/123RF)

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 中国メディア・第一財経は10日、日本と中国が受注を争うシンガポール-マレーシア高速鉄道について、日本が掲げる強みと、受注に対する意気込みについて紹介する記事を掲載した。

 記事は、同高速鉄道の受注を巡る争いの中で、中国の企業連合体がコストの低さ、熱帯における高速鉄道建設の経験、緩い融資サービス、そしてマレーシア側の終点周辺の土地をすでに中国企業が購入済みといったメリットを持っていると紹介した。

 その一方で、日本も同プロジェクトに巨大な情熱を注いでいるとし、日本の新幹線が安全性の高さ、車体の軽さやエネルギー効率の高さによる運営コストの低さ、整った技術者育成体系をメリットに掲げて売り込みをかけているとした。また、各駅に飲食、ショッピングなどを一体化した商業施設を建設することで、現地市民の生活の質やビジネス環境を向上させるという「売り」もアピールしていることを伝えた。

 そのうえで、インドネシア高速鉄道プロジェクトで中国に敗れた日本は、同鉄道プロジェクトを「雪辱の機会」と捉えており、政府も官民一体の姿勢で売り込みを強化していると説明。先日の伊勢志摩サミットなど外交イベントがあるたびに、閣僚が関係国に新幹線を採用するよう働きかけているとした。

 また、外交によるPRと同時に日本は「親民路線」を歩むことも忘れていないと紹介。その例として今年1月には日本貿易振興機構がシンガポールで高速鉄道シンポジウムを開催し、現地市民に新幹線の乗車体験をさせるといった動きを伝えている。

 建設コストが低くても、安全性が担保されなければ市民には利用されない。だからといってあまりに高コストでは運賃が高くなってしまい、やはり市民は寄り付かない。そしてコストについては、建設にかかるものだけでなく、完成後のメンテナンスを始めとするコストについても考慮しなければいけない。さらには鉄道以外の経済的、政治的な要素も存在する。受注争いを繰り広げる入札側が一生懸命になれば、受注先を決める発注側も難しい判断に迫られることになるのだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)chuyu/123RF)