SpaceX、今回もロケット回収と人工衛星の軌道投入に成功。期待は初のロケット再利用へ

写真拡大

 
8月14日、SpaceXのFalcon 9ロケットがスカパー通信衛星の打ち上げミッションを実行し、JCSAT-16衛星の静止トランスファー軌道(GTO)への投入に成功しました。またそれに先駆けて、ロケット第1段部分の洋上無人船への垂直着陸も成功しました。

静止トランスファー軌道は通常の低軌道(LEO)への投入よりも高高度に衛星を運ぶ必要があります。ロケット回収という点ではより高高度へ積み荷を届けるために着陸のためにとっておける燃料が少なくなったり、大気圏再突入時に熱に曝露される時間が長かったりといった悪条件から難易度の高い打ち上げだったものの、SpaceXは衛星の軌道投入も、ロケットの回収も見事に成功させています。 
SpaceXのロケット回収の試みは、昨年のいま頃までは失敗の連続で、本当に成功できるのかといった疑問すらありました。しかし、失敗から多くを学んだSpaceXは、2015年末のケープ・カナヴェラル空軍基地での地上着陸成功を皮切りに、2016年4月には無人船への着陸にも成功。その後は(わずかな失敗もあったものの)着々と成功を重ねています。また通常の打ち上げより難易度の高いGTOへの衛星投入ミッションも今回で3度目の成功を数えました。
  
ただ、SpaceXは回収したロケットのストックを増やす一方で、まだ一度もロケットの再利用を実施していません。初の再利用ロケットには今年4月に初めて無人船着陸に成功した機体を使うとされるものの、現在はそれがいつになるのかわからない状況です。

ロケットの再利用は打ち上げのたびに一からロケットを製造する手間をなくし、打ち上げミッション全体でおよそ30%のコスト削減効果をもたらすとされます。SpaceXは最近、回収ロケットを使用した燃料噴射テストを実施しました。このテストで得たデータをもとにして、近いうちに初の再利用ロケット打ち上げが実施されることになるはずです。

ちなみにSpaceXは今年、これまでになくロケット打ち上げのペースを上げています。次回の打ち上げは3週間後の9月第1週にイスラエルのAmos 6通信衛星打ち上げが控えており、さらにそこから2週後の9月19日には衛星電話のイリジウム用通信衛星を軌道へと送り届ける予定です。SpaceXは以前「秋には再利用ロケットを投入したい」としていました。9月の打ち上げで再利用ロケットが使われる可能性も、ゼロではないかもしれません。