韓国議員が上陸で目指したものは?

写真拡大

韓国の国会議員団が、島根県の竹島にヘリコプターで上陸した。今回、議員団の団長を務めたのは、韓国で「美人すぎる議員」とも言われている与党セヌリ党のナ・ギョンウォン議員(52)だ。

ナ議員の上陸に対しては、韓国国内からも冷めた見方が出ている。ある政治的意図をもったパフォーマンスに過ぎないのでは、というわけだ。

韓国のマドンナ議員は、次期大統領選に意欲?

ナ議員は、「韓国政界のマドンナ」「選挙の恋人」ともてはやされ、日本の女優、黒木瞳さん(55)に似ているとの評判もある。一行は、ナ・ギョンウォン議員のほか最大野党「共に民主党」の議員らも含む超党派の10人で、2016年8月15日にヘリを使って竹島に上陸した。

この日は、日本からの独立を祝う「光復節」に当たり、報道によると、10人は、島に駐留している警備隊を激励した後、市民団体と意見を交わしたりした。

日本政府も、上陸計画について韓国政府に抗議していたが、議員らは「無礼だ」「一顧の価値もない」と意に介さなかった。日本固有の領土に不法に侵入したことについて、菅義偉官房長官はこの日の会見で、「極めて遺憾だ」と受け入れられないとの立場を明らかにした。しかし、慰安婦問題で10億円拠出を決めた日韓合意については、予定通り実施するとの考えを示した。

韓国の国会議員団については、これまで何度も竹島上陸を繰り返して来ている。

パク・クネ大統領自身も議員時代の05年に上陸したほか、大統領選出馬が噂された与野党の大物議員が次々に議員団に加わっている。今回、ナ・ギョンウォン議員も次の大統領選に意欲を示しているとも韓国で報じられており、選挙を前にした「国内向けパフォーマンス」ではないかとみる向きが強い。韓国では、「反日」を掲げることは、当選に不可欠な条件とされるためだ。

日本のネットでは、政府は弱腰すぎると批判も

韓国のニュースのコメント欄などでも、「独島(竹島の韓国名)は韓国固有の領土であり、日本の抗議は受け入れられない」との意見が相次ぐ一方で、国会議員の上陸については、「反日パフォーマンス」だと冷ややかに見る向きも多い。

ナ・ギョンウォン議員については、ソウルで2004年に行われた自衛隊創設50周年の記念式典に出席していたことから、今回の上陸についても揶揄されていた。「自衛隊のスパイとして独島に行ったのか」「むしろ日本の敗戦イベントに参加したいのでは」「親日派が愛国者のコスプレをしてる」といったものだ。

日本のネット上では、日本政府も韓国議員の「国内向けパフォーマンス」に過ぎないことを知っているはずだとして、「茶番の抗議 笑」などと指摘する声が出た。しかし、閣僚が次々に靖国参拝を見送るなどしたことから、日本政府は弱腰すぎるとの批判も多く、10億の支払い中止や韓国への経済制裁などまで求める意見がニュースのコメント欄などに次々書き込まれている。