シンガポール人も認める成城石井の新チキンカレー、そのこだわりとは?

今年2016年は、日本とシンガポールが外交関係を樹立してから、ちょうど50年。この50周年を記念し、さまざまな企画がシンガポール政府観光局で実施されており、その取り組みのひとつとして、スーパーマーケットの成城石井が、シンガポールの“食”を日本に広めることに協力している。それが「新・食文化 シンガポールフードを楽しもう!プロジェクト」だ。そこで成城石井が独自に開発したシンガポール風カレーのこだわりや日本人の評価に迫ってみよう。

■成城石井がシンガポール政府観光局とコラボ

成城石井は、自家製の惣菜を販売している。その開発・製造を担うのが「セントラルキッチン」のプロの調理人たちだ。今回彼らは、度重なる試作や研究を重ね、シンガポールフードを日本人の舌に合うように工夫を凝らし、成城石井の惣菜として開発。結果、次の4つの惣菜が誕生した。

我々日本人にもなじみのある「海南鶏飯」をアレンジした『シンガポール風海南チキンライス』、海老がふんだんに使われた「プロウン・ミー」をアレンジした『シンガポール風海老麺』や、まろやかで甘めの味付けが特徴の炒め麺料理「チャー・クェイ・テォ」をアレンジした『シンガポール風甘辛五目焼きそば』、そして、ココナッツミルクのマイルドさが特徴の『シンガポール風10種スパイスのチキンカレー』だ。
(※「シンガポール風海老麺」と「シンガポール風甘辛五目焼きそば」は販売終了)

商品部惣菜課の野澤課長によれば、4つ目の「シンガポール風10種スパイスのチキンカレー」は、試食会に参加した、シンガポール政府観光局 北アジア局長のマーカス・タン氏から次のような驚きの声をもらったという。

「これはシンガポール“風”じゃない!シンガポールのカレーそのものだ」

■10種のスパイスを独自にブレンド

このシンガポール人も認める本格シンガポール風カレーを作り上げるためには、数々の苦労があったという。成城石井の自社惣菜工場「セントラルキッチン」で商品開発や調理を担当し、この商品の開発担当である青木主任は、カレーを開発する過程で特にこだわった点についてこう語る。

「こだわったのは、既製品のカレー粉やカレーペーストではなく、ターメリック・クミン・フェンネル・ナツメグなどの10種のスパイスを、独自にブレンドして使用したところです。トマトの酸味とココナッツクリームのまろやかさの中に、香り豊かなスパイスをきかせて味わい深く仕上げています」

そもそも、シンガポールならではのカレーとはどのようなものなのか。シンガポール料理店を利用したことがある人は、「ラクサ」というココナッツミルクをベースとし、スパイス・エビなどを使ったスープで味わう麺料理を思い出してみてほしい。特徴は多様なスパイスとココナッツミルク味の絶妙な味わいである。

シンガポールのカレーは、このように、スパイシーさとマイルドさのバランスが一つの特徴といえる。成城石井は、有機のトマトとココナッツクリームをベースとして、10種類のスパイスを独自にブレンド。トマトの酸味とココナッツクリームのまろやかさ、そして、スパイスの独特の香りで引き立てるという、シンガポールならではのカレーを見事に再現した。そしてシンガポールならではの鶏肉が食べごたえを生んでいる。

そして、最大のポイントは、ただ再現しただけでなく、日本人向けにアレンジしたというところにある。

「シンガポール料理には、“八角”の香りが強いものが多くあります。しかし、日本人は八角の香りが苦手な方や、よりマイルドな味わいを好む方がいらっしゃいます。そこで、本格的な味わいを残しつつ、日本人にも親しみやすい味わいになるよう、八角の配分にはとても気を遣いました」

八角とは、四川料理などで、下味や香りづけに使われる香辛料の一つ。ツンと鼻を突く、まるで漢方薬のような独特の香りが特徴だ。日本人にとって好き嫌いが分かれるこの八角を調整することで、日本人好みに仕上げた。

■シンガポール風カレーは日本人の舌に合うか?

では、実際、日本人からはどのような反応があったのだろうか。野澤課長によれば、2016年6月2日の発売以来、このカレーを実際に食べた日本人客からは、次のような感想が得られたという。

「インドカレーやタイカレーなどの辛いものとは違い、このカレーはまろやかで深みのある味わい。今までに食べたことのない味」

「スパイスのコクや深みを感じる」

厳選された10種のスパイスと、その中で一際、気が遣われた八角の絶妙なバランス。ただ辛いだけじゃない、深みのある味わいが、日本人の繊細な舌をとらえたようだ。シンガポールとの国交はすでに50年目とはいえ、まだまだシンガポールの味を知らないのが日本人だ。ぜひ一度、現地の味を試したい。

取材協力
成城石井
http://www.seijoishii.co.jp/

取材・文/石原亜香利