えっ、韓国の大統領の顔が知りたい?…様々な手口に対処する方法
Hagia Sophia(C)Hosang You

えっ、韓国の大統領の顔が知りたい?…様々な手口に対処する方法
The Blue Mosque(C)Hosang You

世界にはいろいろな習慣がある…旅先では“非常識”すらもその国独特の習慣だと早合点して、痛い目に遭うことがある。そうならないために大切なことを、旅の達人である劉さんが、身をもって教えてくれる。

夜遅くに到着した異国情緒溢れる都市、イスタンブール。次の朝、期待に胸を膨らませ、市内探査に出かけた。埠頭が見渡せる坂道を歩いていると、初々しく、やや幼い顔をした大学生くらいの男性が「どこから来たのですか?」と、声を掛けてきた。「韓国から来た」と答えはしたものの、すぐさまわざとらしい空気を察知し、歩みを止めなかった。しかし、彼はまるで知り合って長い友人かのように、にこやかな表情で「自分も韓国が好きだ」と言いながら、ずっと私についてくるではないか。

正直困ってしまった。一緒に肩を並べ、いろいろと質問してくる彼。そして事務的に答える私。はた目では平穏に見えるが、実は水面下で激しい神経戦が繰り広げられている状況だった。

えっ、韓国の大統領の顔が知りたい?…様々な手口に対処する方法
The street view in Istanbul.(C)Hosang You

彼は突然、「韓国の大統領って誰ですか?」と質問してきた。急になぜ、よその国の大統領に関心を持つのか?

しかし、とにかく知りたいと言うので名前を教えてあげた。すると「大統領の顔が知りたい」と「韓国のお札には出て来ないのか?」と聞くではないか! 「現職の大統領が紙幣に出て来るはずないだろう」と答えると、「それでは誰が載っているのか?」と再び質問する。あぁ、本当にしつこい!

できることなら無視しようかと思ったが、彼の純真な表情は、本当に純粋な気持ちで質問していると思わせるのに十分だった。そこで、普段の自分らしくもなく、面倒ながらもわざわざ韓国のお札を取り出して見せてあげることにした。財布を開けてお札を見せてあげようとした瞬間、「これが韓国のお金か?」と彼が紙幣を何枚かすっと取り出した。びっくりした私は、「何するんだ!」と、お金を素早く取り上げ財布に入れ直した。「あぁ、やっぱり…そうか! でも、お金を取り戻せて助かった」と思い、彼を見向きもせず、歩みを急がせた。

えっ、韓国の大統領の顔が知りたい?…様々な手口に対処する方法
Illustration(C)Hosang You

半日を外で過ごした後、午後遅く宿へ戻り、その日に使ったお金の精算をしようと財布を取り出した時、驚きの事実が発覚した。

20ドルほど足りないではないか! その瞬間、脳裏によぎったのは朝に出会ったあの“純真な顔”。しかし、ずっと目を離さなかったあの短い時間に、彼がお金を持って行けるはずはない! と思われた。しかも、即座に私が“収拾”をつけたはずだったのに…。考えるほど何が何やらわからない。自他公認、旅行のベテランである私が、恥ずかしくも“スリ”にあったというのか! いいや、そんなはずは…たぶんどこかでお金を使い、それを忘れているのかも…。それとも初めから総額を間違って記憶しているのかもしれない。あれやこれやと自分自身を慰めてみた。しかし、あぁ…なぜか彼の顔がちらつく。

Istanbul, Turkey

[旅の達人情報]

イスタンブールには、とりわけこんな風に近づいてくる人が多かった。そのうえ、自家用車に乗った人が、「警察だ。停まりなさい」と言う手口まであった。もちろん無視して先に進むのがベストな方法である。

海外で親しそうに近づいてくる人達…なぜか雰囲気を壊してしまいそうな気もするし、冷たい気もして振り切るのがなかなか難しい。特に、海外経験が少ない旅行者ほどそのような傾向があるが、そんな考えをする必要はない。反対に、普段私たちが外国人に出会った時、そのような行動で接するか、考えてみよう。そうすれば彼らの手口がどんなにわざとらしいかが分かるだろう。何でも常識の線で考えればいい。もう一つ、断固とした態度を取らないと、逆に見くびられ騙されてしまうという事実もある!

取材・文/劉昊相(YOU HOSANG)

韓国出身。見知らぬ場所や文化を楽しむ、生まれついての旅行家。イギリス在住時に様々なプロジェクトを経験、Panasonicなど多国的企業での海外業務経験を持ち、英語、日本語、韓国語に通じる。旅行 コミュニティー「Club Terranova」を運営。