WEEKLY TOUR REPORT 
≪米ツアー・トピックス≫

 リオデジャネイロ五輪が盛り上がる中、PGAツアーのレギュラーシーズンは残り2試合となった。

 気になるのは、石川遼(24歳)だ。

 年が明けてまもなくすると、腰痛を発症して戦線離脱。2月初旬のウエイストマネージメント・フェニックスオープンを最後に、米ツアーの舞台からは姿を消している。

 はたして石川は、これからどこでどうやってツアーに復帰してくるのか。現在考えられるプランを想定してみた。

 最大の心配事である様態だが、そちらはかなりよくなっているようだ。そもそも最初に石川が「違和感を覚えた」というのは、フェニックスオープンのとき。当時「本戦で腰と股関節が痛み出した」と話している。

 その後、翌週のAT&Tペブルビーチ・プロアマの練習日には顔を出すも、「(体を)ひねろうとすると、腰とお尻に痛みが走って、力を入れるのをやめてしまう」というほど状態は悪化。大会出場を棄権して、カリフォルニアの自宅に戻って様子を見ることにした。

 しかし、翌週になっても回復することはなく、結局日本に帰って治療に専念することになった。以来、PGAツアーに復帰することなく、5月頃には「公傷制度」の申請も視野に入れ始めたという。

 PGAツアーの「メディカル・エクステンション(公傷制度)」は、ケガや病気によって4カ月以上、ツアーから離れた場合に申請することができる制度だ。医師の診断書など必要な手続きを経て、最終的にはPGAツアーのコミッショナー、ティム・フィンチェム氏が申請を認めるかどうかの判断をする。

 つまり、フィンチェム氏の胸三寸で決まるということだ。それでもし、このメディカル・エクステンションが認められるとどうなるか。

 昨季のフェデックスランキング122位のシード選手として、今季(2015−2016シーズン)ツアーに参戦した石川。開幕戦のフライズ・ドット・コムオープンを含めて出場したのは6試合(うち3試合は予選落ち)だけで、現在のフェデックスランキングは211位。本来であれば、来季のシード権を失うことになるが、メディカル・エクステンション扱いの選手として、シード権が得られるフェデックスランキング125位の選手の、次の優先順位で来季ツアーの出場が可能となる。

 ただし出場できるのは、戦列を離れてから出場が可能だった試合数のみ。石川の場合、棄権したAT&Tペブルビーチ・プロアマ以降では、マスターズや全米オープンなどのメジャー、メモリアルトーナメントなどの招待試合を除いて、19試合程度となる。

 そして、石川は来季(2016−2017シーズン)、この出場可能な約19試合の中で、今季125位となった選手のフェデックスランキングポイントを超えることができれば、再びシード選手へと昇格。次のシーズンも、PGAツアーに参戦することができる。もちろん、規定の試合数でその条件をクリアできなければ、その時点でシード権は消失する。

 その規定の試合数は、石川が開幕戦から復帰すれば、そこからカウントされることとなる。もし出場できる試合を欠場した場合、それも定められた試合のひとつとしてカウントされるので、一度復帰したらどんどん試合に出場して、必要なポイントを目指して戦っていかなければならない。

 復帰する前にはその準備として5試合程度、下部のウエブ・ドット・コムツアー、もしくは日本ツアーへの参戦は認められている。石川が日本ツアーの日本プロゴルフ選手権(7月7日〜10日/北海道)に出場したのは、その一環だ。

 同大会で予選落ちに終わった石川だが、新スイングにして腰の負担は軽減。「思ったよりも満足な出来だった」と手応えを見せている。試合から遠ざかっていたせいか、ショートゲームでのミスが目立ったものの、これは試合をこなしていけば修正されていくだろう。

 石川の今後のスケジュールだが、昨年優勝したANAオープン(9月15日〜18日/北海道)に出場して、その後も日本ツアーを2、3戦こなしてからPGAツアーの開幕戦に備える、というのが濃厚だ。

 とはいえ、来季開幕戦のセーフウェイオープン(10月13日〜16日/カリフォルニア州)と、日本国内メジャーの日本オープン(10月13日〜16日/埼玉県)が同じ週に開催される。どちらに出場するのか、その選択は難しいところかもしれない。

 何にしても、一度PGAツアーに復帰したら、休みなく試合に出場することになる。そうなると、秋の日本ツアーに出場することはなくなり、日本のファンにとっては寂しいかもしれない。が、石川が来季以降もアメリカで活躍するためには、PGAツアーに専念することが必須となる。

 ここまでの話は、あくまでも石川のケガ完治、もしくはツアー復帰が可能な状態であることを想定してのこと。石川の動向に注目である。

 この9月には25歳となる石川。彼のゴルフキャリアはまだまだこれからだ。長い将来を見据えて、まずはケガを完治させることが重要。復帰する際には、万全の態勢であってほしい。心身ともに健康な石川が、PGAツアーに戻ってくることを心待ちにしたい。

text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN