■連載/コウチワタルのMONO ZAKKA探訪

今回紹介するのは、そのものとは別の何かに擬態して私たちを欺きにかかる雑貨たちである。自然界に存在する生物の中には、周りの景色、別の生物に擬態することで生存、捕食するものたちがいる。もちろん今回紹介するモノたちにそうした目的があるわけではない。…あるのはただ私たちを騙したい、という気持ちだけである。その方がよっぽどタチが悪そうだが、騙すといっても相手に損を負わせようとするわけではなく、単に驚かせてやろうという遊び心から来るもの。温かく受け止めて欲しい。

■見た目は丸太なクーラーボックス『WISCONSIN PRODUCT Wood Chair クーラーボックス』

WISCONSIN PRODUCT Wood Chair クーラーボックス WISCONSIN PRODUCT Wood Chair クーラーボックス

WISCONSIN PRODUCT Wood Chair クーラーボックス

最初に紹介するのは丸太の姿をしたクーラーボックス『WISCONSIN PRODUCT Wood Chair クーラーボックス』 だ。木の模様まで丁寧に再現されていてパッと見は丸太が置いてあるように見える。蓋を開けると10リットルの容量を持つクーラーボックスとして使えることが判るが、その他にも腰掛けてチェアとして利用したり、ミニテーブルとして使うことができる。運搬用にショルダーストラップが付いており、肩に掛けて運ぶことができるが、その姿はさながら丸太を背負った木こりか何か、である。素材はポリウレタンで重量は1.4kg。Amazon等で販売されていたが、残念ながら現時点では品切れとなってしまっているようだ。

■見た目は定規な扇子『竹の定規扇子』

竹の定規扇子 竹の定規扇子

予め断っておくと、定規に見えるのは扇子を閉じて横から見た時だけだ。しかし、本体横のデザインは私たちが小学生の時に使っていた定規のデザインそのままである。数字が書かれていないために、丸の印を頼りに長さを把握しなければならず、正直面倒だな、と思っていたのももはや昔のこと。特定の意味を持つ文字を使わないことで、かえって模様として機能する結果になっている。しかもこの模様、実際に長さを測る用途に使うことができるというから驚きだ。小学生の頃の記憶を呼び起こすアイテムと、こんな所で出会えるとは思いもしなかった。使っていれば、周りの同僚や同級生から「懐かしい」と言われるに違いない。価格は税抜4200円で「machi-ya」のHPから購入することが可能だ。

■見た目は煎餅なコインケース『擬態シリーズ 本革煎餅』

擬態シリーズ 本革煎餅 擬態シリーズ 本革煎餅

擬態シリーズ 本革煎餅 擬態シリーズ 本革煎餅

なかなか美味しそうな煎餅ではないか。煎餅特有の凹凸や、皺のよった感じが再現されている。しかしどんなに忠実に再現しようとこれがコインケースであることには変わりない。『擬態シリーズ 本革煎餅』 は煎餅をモチーフにしたコインケース。素材は革を使用しているので、革製品にこだわる人にもお勧めできる。ご丁寧なことに煎餅の種類は6種類用意されており、ラインアップは塩味、塩味(海苔付)、カレー味、カレー味(海苔付)、醤油味、醤油味(海苔付)。個人的には縫い目が見える海苔付タイプではない方が好きなのだが、この海苔は実はポケットになっているので、収納スペースが欲しい人はこちらのタイプを。パッケージの袋まで煎餅のそれを意識することを忘れていない。価格は海苔なしタイプが税抜2042円、海苔付タイプが2139円でオンラインショップ「東京キッチュ」から購入することができる。

■見た目は花なクリップケース『Qualy Blossom Pod Magnetic Paper Clip Dispenser Holder』

Qualy Blossom Pod Magnetic Paper Clip Dispenser Holder

『Qualy Blossom Pod Magnetic Paper Clip Dispenser Holder』は黄色いクリップと、花のカタチをしたケースがセットになった製品。黄色いクリップが花のおしべ&めしべのデザインとして機能している。モチーフにしているのものが花なのでデスク、冷蔵庫 etc.と、置かれた場所のワンポイントとして活躍してくれそうだ。価格は49.99ドル(約5000円)。花の部分のカラーラインアップとしてピンク、レッド、バイオレットの3種類があるようだ。米国のAmazonで販売されている。

■見た目はバナナな折りたたみ傘『Um Banana コンパクトアンブレラ』

Um Banana コンパクトアンブレラ

Um Banana コンパクトアンブレラ Um Banana コンパクトアンブレラ

これはバナナだ。色・形といい見覚えがあるし、もっともらしいシールも貼られている(実際にはプリントされているだけだが)。しかしながら、当然これも本物のバナナではなく、正体は折りたたみ傘である。本体の前半分はケースになっており、引き抜くと中から傘が現れる。もちろん開いた傘も真っ黄色である。鞄の中にバナナがむき出しで入っているのを、人に見られても気にならない人は挑戦してみても良いだろう。価格は20ドル(約2000円)。「FANCY」にて販売されている。

■見た目は貝、石、竹な香水ボトル『ZEN』

ZEN ZEN

ZEN

独特すぎる香水ボトルだ。元々長さのある貝、竹をモチーフにするまでは判るが、積み重ねられ石、というのはどうだろうか…?だが、私が一番気に入っているデザインがこれなのも確か。まさか香水ボトルは入ってることはないだろう、と思わせる点で擬態としての完成度は他の2つのデザインよりも高いと思う。中身をデフォルメしたパッケージのデザインもまた洗練されていて良い。洗練されたデザインたちは「禅(ZEN)」の概念をぴったりと体現している。これらはオーストラリアを拠点に活動するデザイナー・Igor Mitin氏によるデザインで、残念ながら製品化はされていないようだ。

text/Wataru KOUCHI

趣味は合唱、読書、語学、旅行、美術館巡り、雑貨屋探索etc...日本、海外の雑貨やガジェット、デザインコンセプトの中から思わず「それ、いただき!」と言ってしまうモノ達を紹介するライター。

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