スマートフォン端末にカメラ機能が搭載されているのは当たり前。最近では、画素数も増えて高画質な機種も増えている。しかし、それはあくまで「スマホのカメラ」という域を超えない。そんなスマホ市場に、中国資本のファーウェイ(日本法人:ファーウェイ・ジャパン)が、何とライカのダブルレンズを搭載して「プロ並みの撮影効果」が得られると謳うAndroid端末『HUAWEI P9』を投入してきた。カメラには一家言ある記者も興味がそそられる。さっそく使って、その性能をレポートしよう。

■光り輝く「ライカ」レンズの証。ダブルレンズでボケ効果も自在に!

スマホの記事で、カメラ機能から書き出すのもいかがなものかとは思うが、それほどまでにカメラ機能に注力しているのが、このファーウェイ(華為技術有限公司/日本法人:ファーウェイ・ジャパン)『HUAWEI P9』だ。なんと言っても目を引くのは、ドイツの老舗カメラメーカー・ライカと共同開発したというダブルレンズ「LEICA SUMMARIT H 1:2.2/27 ASPH」。はたして、この2つのレンズがどのような効果をもたらすのだろうか。

本体のサイズは幅70.9mm×厚さ6.95mm×高さ145mm、重さは144g。価格は量販店で60,000円弱。手にすると、程よい重量感とスタイリッシュなアルミ削り出しのボディ。そして、ディスプレイには5.2インチのフルHD液晶(1080×1920ドット)を搭載。2.5D曲線で構成された硬質ガラス採用の発色鮮やかなディスプレイは屋外での視認性も高い。スマホとしての品質もさることながら、やはり気になるのはカメラ機能なのだ。

ダブルレンズは前述の通り、ライカとの共同開発。単にレンズが2つ搭載されているのではない。実は、それぞれがカメラ機能なのだ。2つのカメラはどちらも1200万画素センサーで、RGBセンサーとモノクロセンサーで構成されている。RGBセンサーが被写体の色情報、モノクロセンサーが明るさの情報を取り込み、それぞれの撮影データを合成して1枚の写真として保存する仕組み。このモノクロセンサーを搭載したのがポイント。これによって、より豊かな階調表現や描写力が得られるというわけだ。

実は、ダブルレンズの効果はそれだけではない。レンズが2つ搭載されているということは、それぞれピントを合わせる位置をコントロールできるということだ。つまり、カメラでいう「ボケ」を自在に扱うことが可能となっているのだ。そのため、撮影された写真を後から大きくボケさせる、なんてこともできてしまうのだ。これを「ワイドアパチャー」機能といい、ピント位置と絞り値(ボケ具合)をカメラアプリで変更できる。

たとえば、次のページの写真を見てみてほしい。

■スマホカメラとしては群を抜く高画質の写真が撮れる!

まあ、普通にスマホのカメラで撮ると、このように写ることが多いだろう。難しい説明は省くが、要するにスマホのカメラは構造上、たとえ絞り値を小さくしても大きくボケさせることは難しいのだ。それを『HUAWEI P9』は、あとからアプリで以下の写真のように変更できるのだ。ちなみに、専門用語でF0.95の絞りに変更となるのだが、人間の目の絞り能力をF1としているのが写真の世界なので、これは驚異的な数値なのだ。

もちろん、これはレンズの高性能があってこそ。確かにメーカーが「プロ並みの写真」と言うだけのことはあると感心した。そこで、ちょいと意地悪な比較を。プロカメラマンが使うデジタル一眼レフカメラ(ニコンD500)&レンズと、ほぼ焦点距離やISO感度などを同じ条件にして撮影をしてみた。

さすがに、この条件では比べものにならない。ただ、HUAWEI P9の写真を単体で見れば、スマホのカメラで撮ったとは思えないレベルの高画質さだということは間違いない。

驚いたのは、LEDライティングで人物を撮影した写真。センサーの画像処理に違いはあるものの、プロ向けデジタル一眼レフと遜色のない仕上がり。ニコンの画像処理エンジンの傾向が、より忠実な色再現ということもあって、人肌の色味はむしろ『HUAWEI P9』のほうが健康的で自然に見える。手で持っているガラス球が少し歪んでいるのは、レンズの周辺に収差が発生しているためで、これはある程度やむを得ない部分もある。むしろ、60,000円前後のカメラとレンズであることを考えれば上出来だろう。

ちなみに、他のスマホカメラおよびカメラアプリにもある「フィルター効果」だが、元の画質が優れているため、フィルター効果でグッと雰囲気のある写真に仕上げることも可能だ。

 

これらの機能を駆使すれば、SNSでの注目度もアップするに違いない。ちなみに、『HUAWEI P9』で撮影した写真はパソコン上に取り込んだり、簡易的に編集したり、整理・保存も可能となる「HuSuite」というソフトをインストールする必要がある。

■まとめ:これがあればデジカメはいらないなと思わせるほどのカメラ性能

やはりというか、ほとんどカメラ機能の説明に終始してしまった。スマホとしての基本性能は高く、バッテリーは3000mAhで通常利用としては1日充電しなくても問題ないレベル。さらに「指紋センサー2.0」が採用されており、本体背面のセンサーに指を触れるだけで、即ロック解除される。iPhone6を使っている記者だが、こちらの指紋認証のほうが遥かに精度、速度ともに上位だと感じた。

 

気になるカメラ機能だが、自分の望むレベルがどこにあるかによって評価は変わってくるだろう。当然ながら、デジタル一眼レフの最新機種と比較するのはナンセンスだし、そもそも販売価格がまったく違うからガチンコ勝負は気の毒だろう。ただ、これまで手にしたスマホのどれよりも高画質だと記者は感じた。どうしてもiPhoneじゃなければ嫌だという人以外は、特に写真が趣味だという人なら買い替えをオススメする。スマホのカメラもここまで来たかと驚かされるレビューとなった。