“お家騒動”が続くロッテで、今度は脱税疑惑が浮上した。韓国の検察当局は創業者の重光武雄氏が巨額の贈与税を免れた疑いで捜査を開始。韓国メディアは「旧時代的経営姿勢が数多くの疑惑を生む背景」とみている。写真は韓国のロッテ百貨店。

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2016年8月13日、経営の主導権をめぐり“お家騒動”が続くロッテ。今度は韓国で脱税疑惑が持ち上がった。検察当局は創業者の重光武雄(韓国名・辛格浩、シン・ギョクホ)氏(95)が巨額の贈与税を免れた疑いで捜査を開始。韓国メディアは「オーナー家に利益を集中させる旧時代的経営姿勢が数多くの疑惑を生む背景」と指摘している。

ロッテは日本の事業を長男の宏之(韓国名・辛東主、シン・ドンジュ)氏(62)、韓国の事業は次男の昭夫=(同・ 辛東彬、シン・ドンビン)氏(61)がそれぞれ担当。武雄氏がその上に立つという企業統治が確立していた。

昨年1月、宏之氏がロッテホールディングス(HD)の副会長を突然解任され、お家騒動が勃発。7月には昭夫氏が代表権を得た上、武雄氏を代表取締役会長から新設の名誉会長とする人事を決定した。ところが、10月なって宏之氏が「父親」というカードを切り出して巻き返し、経営権の奪取を目指して争っている。

今年6月、検察当局は巨額の裏金を組織的につくっていた疑いなどで本社や武雄氏の自宅などの家宅捜索に着手。7月には武雄氏の長女・辛英子(シン・ヨンジャ)ロッテ奨学財団理事長(74)を逮捕し、武雄氏と昭夫氏を出国禁止としていた。

韓国メディアによると、検察当局は武雄氏が事実婚関係のソ・ミギョン氏(57)氏と娘のシン・ユミ氏(33)にHDの株式6%を譲渡した際、贈与税など約6000億ウォン(約545億円)を脱税した疑いがあることを把握した。ロッテ側は05年に米国、香港、シンガポールなど4カ所にペーパーカンパニーを設立し、これらの会社を通じてHD株を譲り渡す方式を取っていたという。

ソ氏はミスロッテに選ばれた後、女優として活動。80年代初めに38歳年上の武雄氏の3人目の妻になり、シン・ユミ氏が生まれた。

世間には知らてれていなかったソ氏親子が関心を持たれるようになったのは07年。公正取引委員会はソ氏や辛英子氏の関係会社に、ロッテショッピングがロッテシネマ劇場の売店の運営権を与え、低い賃貸料を受けていた事実を突き止め、是正命令と課徴金3億200万ウォン(現レートで約2680万円)を課した。ほかにもロッテグループが会社の利益よりソ氏親子の利益を優先した疑いが浮上している。

韓国メディアはロッテグループ関係者の話として「家族と経営は分離されねばならないというのが昭夫氏の確固たる意思だ。昭夫氏が韓日ロッテグループの経営を掌握した後、家族の関連問題を整理してきた」と報道。今回の脱税疑惑にも一連のお家騒動の影が見え隠れしている。(編集/日向)