「根をおろす」という言葉には、草木がしっかりと根をおろすことが転じて、しっかりと定着するという意味がある。一部で排斥を主張する声が存在するものの、日系車は中国自動車市場でしっかりと「根をおろす」ことができていると言えるだろう。

 中国メディアの新浪はこのほど、日系車は特に中国南部の都市で支持されていることを伝えつつ、なぜ中国南部で「根をおろす」ことができたのかを考察、説明する記事を掲載した。

 記事は、中国南部の消費者が日系車を支持する理由の1つとして、「1980年代に大量の日系車が南部の沿岸都市に出現した」ことが関係していると紹介。1980年代といえば、日中関係が蜜月期にあったと言われる時代であり、当時の中国人にとって日本車は高嶺の花であると同時に憧れの存在だった。日本車は香港経由で中国市場に密輸され、高い品質を強みに中国南部で高い評価を得た。つまり、当時の高い評価とブランド力が今なお中国南部には存在するということだ。

 さらに別の理由として「故障が少なく低燃費という特長を持つ日系車は、経済性を重視する南部の消費者にとって魅力的な車」であると説明。また「好き嫌いが激しい南部の人びとは日系車のカーラインナップの豊富さを称賛してやまない」と指摘し、中国南部の消費者の価値観と合致する存在こそが日系車だと指摘した。

 また記事は、「日本車が中国南部に自動車文化を根付かせた」と説明している。これは、単に製品としての自動車を輸出することと、その文化を広めることに非常に大きな違いがあることを示すものだ。

 例えば野球を知らない国に野球というスポーツのルールや道具を持ち込むだけでは、野球がその国に根をおろすことはないだろう。しかしその国に野球の面白さも伝えることができれば、その国に根をおろして発展するだろう。これと同じように中国南部の消費者の心には自動車文化の面白さや素晴らしさが「日本発」として根をおろしており、それゆえに数多くの日系車が街で見かけることができるのだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)