巨大ロケットの炎をHDRで・SpaceXの火星輸送ロケット・火星表面の高解像度写真1035枚公開(画像ピックアップ45)

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1週間のあいだに拾いきれなかったニュースを集めてお伝えします。今週は「HDRで見る巨大ロケットエンジンの炎」、「SpaceXの火星輸送ロケットがエンジンテストを開始」、「NASAが火星表面の高解像度写真1000枚を公開」といった宇宙関連ニュースをまとめました。

SpaceXが火星輸送用ロケットエンジンRaptorのテストを近々開始、出力は3倍増

 
ロケットのテスト設備を運営するGwynne Shotwell氏が、SpaceXが火星への物資輸送のために開発しているロケットエンジン「Raptor」のテストを開始すると語りました。SpaceXはこれまでRaptorエンジンについて詳しいことを明らかにしていません。



現時点でRaptorについてわかっていることといえば、それが現在SpaceXで最も強力なロケットFalcon Heavy(上図)の3倍以上強力で、火星輸送のまさに原動力となる予定であることぐらい。開発していることは2012年からわかってはいるものの、その仕様などは明確にされていません。

ただ、2015年初頭にイーロン・マスク自身が掲示板サイトRedditで実施したAMA(Ask me anything、〜だけど何か質問ある?)では、Raptorには50万ポンド、約227トンの推力があり、100トンの積み荷を宇宙へと打ち上げる能力を備えると語っていました。またSpaceXは、2024年には初の火星への有人フライトを成功させたいとしています。

SpaceXがテキサスのテスト設備でどんな試験を実施するのかなどについては、Shotwell氏からは聴くことはできませんが、Ars Technicaなどはロケットエンジンの開発には通常7年ほど必要だとしています。

[Source : Ars Technica]

SpaceXのこれまでの打ち上げ映像をまとめた動画

新たなロケットエンジンもテスト開始が報じられたSpaceXが、これまでのFalcon 9ロケットの映像をダイジェスト風に編集した動画を公開しました。ロケットにクローズアップした映像をメインにまとめており、噴き出す炎の美しさなどが際立っています。

映像は過去数か月間に実施した打ち上げの模様を編集しており、なかには日本のJCSAT-14や
、11個の小型衛星を軌道投入し、初めてロケット第1段目の地上着陸に成功した2015年12月の映像も含まれています。

[Source : ]

HDR映像で見るSLSロケットエンジンの炎

 
NASAが、月や火星など地球近傍天体への人員輸送も想定する大型ロケットSLS(Space Launch System)の噴射テストの模様を公開しました。

NASAが自身で開発中のHDRカメラHiDyRS-X(High Dynamic Range Stereo X)により、輝度が高すぎて普通のカメラでは白飛びしてしまう炎の中身の動きも、隅々まで確認することができます。写真などのHDR化では露出の異なる画像を何枚か組み合わせて処理することでHDR画像を生成しますが、HiDyRS-Xではカスタムチップと特殊な撮像素子を用いています。
  
独自開発のカメラであるため、撮影時にはNASAの技術者がタイマーをセットしていたものの録画がスタートしないというトラブルも発生しました。しかしエラーに気づいた技術者がとっさに手動録画に切り替えたため映像を記録でき、見事なHDR映像が得られました。
 
こうした映像からはロケットの異常噴射などがあった場合に目視で確認することができるため、試験で得た数値データとの組み合わせによって、開発のペースを加速させられそうです。

NASA、MROのHiRiseカメラ撮影の火星高解像度写真1035枚をまとめて公開。将来の着陸地点決定に利用

 
NASAが、SLSロケットやSpaceXのRaptorロケットが行き先のひとつとする火星の、鮮明な高解像度写真1035枚をまとめて新規公開しました。この写真は、火星を周回軌道から探査するMRO(Mars Reconnaissance Orbiter)に搭載するHiRseカメラで撮影したものです。

火星の周回軌道に入った2006年以降、MROは膨大な数の火星の高解像度写真を地球へと届けています。よって、いまやこれを見てすごいなーと感心している段階でもありません。NASAは火星表面をくまなく撮影した、これら大量の写真の分析結果をもとに、将来火星に探査機や宇宙船を送り込むための着陸地点を決定するとしています。
  
ちなみに今回なぜ1000枚もの写真を一挙に公開できたかというと、今年5月に火星が地球に最接近したから。地球との距離が近くなったことで通信条件が良くなったため、より大容量のデータ送信が可能になったということです。

[Source : HiRise]

探査機カッシーニ、土星の衛星タイタンにメタンの海が侵食した峡谷を発見

 
土星探査の層仕上げにとりかかっている探査機カッシーニが、土星の衛星タイタンの表面に液体メタンに侵食されて出来上がった峡谷を発見しました。地球では気体として存在するメタンですが、非常に寒いタイタンでは水のような液体として安定に存在しています。

タイタンは地質学的にみると地球によく似ていることで知られています。しかし、窒素を主成分とする分厚い大気で覆われていることからその地表は宇宙空間からははっきりと確認できません。そこでカッシーニはレーダーを使って地形を計測し、リゲイア海と名付けられたメタンの海を調査しました。そしてそこには地球の峡谷と同じように長い年月におよぶ水面の上下が地形を削りとり、深い谷がたくさん形成されていることがわかったとのこと。研究者らは今後、リゲイア海から伸びる未調査の峡谷の分析にもレーダーと画像による解析手法を応用するはずです。

カッシーニは2017年9月に最後の大舞台として土星大気圏へ突入し、20年におよぶ長い旅の終焉を迎えます。