女性のアルコール依存症が増えている!?その理由とは…

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近年、女性のアルコール依存症も増えていると言われています。いったいどのような理由があるのでしょうか?またアルコールが及ぼす健康への被害や飲酒によるトラブルなどを予防するための法律「アルコール健康障害対策基本法」が、2014年6月からスタートしています。法律の内容を把握して、アルコール依存症を予防するための方法を探っていきましょう。

■ 女性のアルコール依存が急増中!?

アルコール依存症に陥る女性が急増している!?それは女性の社会進出が増えていき、お酒を通じた付き合いが増加したことが一因のようです。そもそも女性は男性に比べ比較的、肝臓が小さく、過剰な飲酒を続けると健康的な被害が大きくなる可能性が高いわけです。厚生労働省の調査では、近年は女性のアルコール依存症が増えているとのことで、この10年で2倍に膨れ上がっているという報告もあります。

男性は飲酒を始めてから20〜25年でアルコール依存になる傾向がありますが、女性は約13年で発症するとされており、男性よりもリスクが高いのです。その原因として、男性よりも肝臓が小さく血液量も少ない女性の体は、男性と同じ量のアルコールを飲めば血中濃度が高くなり、体内にアルコールが留まる時間も長くなります。また、女性は脂肪の組織が多く女性ホルモンがアルコールの代謝を悪くするため、酔いやすくなるという特性もあるそうです。

■ 飲酒による事件が多発

もちろんアルコール依存症は、男女ともにさまざまなリスクを引き起こします。アルコールが原因で死亡する人の数は、国内で年間3万5000人以上。たとえば、飲酒運転(酒気帯び運転)で逮捕された違反者は、男性のうち5割、女性のうち4割がアルコール依存の可能性が指摘されています。また、ドメスティックバイオレンス(DV)の加害者は、7割が飲酒しながら暴力を振るっていたそうです。さらに、自殺者のうち2割がアルコール依存だったことも分かっています。

厚生労働省の調査では、これら飲酒による事故や犯罪、病気などが年間4兆円以上の社会的損失を生み出しているというデータもあり、社会的な問題となっていました。正しく適度に飲めば問題ないのですが、度を超えた量のアルコールを摂取し、道徳性や理性を失ってトラブルを起こす悪質なケースが後を絶たない現状なのです。そうした国内で多発している飲酒が引き起こす事故や事件を防ぐために政府は、2014年6月に「アルコール健康障害対策基本法」を制定するに至ります。

■ アルコール健康障害の怖ろしさとは?

アルコール健康障害対策基本法の第一条には、まず、アルコールが健康に及ぼすリスクが書かれています。法律というよりも、むしろ"飲み過ぎ"を規制するためのルールブック。もっと具体的に言うならば、"アルコール依存を抱える人たち"を社会的な観点からケアするという取り組みと目的があります。しかし、自分がアルコール依存であることに気づいていない人が多いこと、またこの法律には周囲の協力についても重点的に書かれていることから、全ての国民が知っておくべき法律なのです。つまり、周囲の協力のもと、本人がアルコール依存症だと認め過剰な飲酒を克服することが、アルコール健康障害対策基本法の狙いとなります。

> お酒は私たちの生活に豊かさと潤いを与えるものである一方、不適切な飲酒はアルコール健康障害の原因となります。更に、アルコール健康障害は、本人の健康の問題であるのみならず、飲酒運転、暴力、虐待、自殺などの様々な問題にも密接に関連します。

出典:アルコール健康障害対策基本法(内閣府)

■ アルコール健康障害対策基本法ってどんな法律?

アルコール依存の治療、過剰な飲酒の禁止、未成年や妊婦の飲酒など不適切な飲酒が心身に与えるリスクを「アルコール健康障害」と定義されます。飲酒による運転、DVなどの暴力や虐待、依存者の自殺など飲酒によって起きる様々な問題の解決のために必要な取り組みを実施していくことが、アルコール健康障害対策基本法の理念として定められています。国や自治体はもちろんのこと、酒造メーカーや販売業者、周囲の人や医師など、それぞれの役割や責任についても書かれています。今年5月には「アルコール健康障害対策推進基本計画」が決定し、自治体をはじめ各医療機関に向けて健康診断や保健指導、医療の充実や飲酒運転者に対する厳重な指導や教育などが今後、義務付けられるようです。

■ 飲酒に関する法律の強化

厚生労働省のデータによるとアルコール依存症の患者は全国で109万人に達し、予備軍は970万人以上とのこと。それに伴い、飲酒によるトラブルが多発している現状。そのなかでも悪質な事件が"飲酒運転"です。酒を飲んで運転し、最悪の場合、他人を死亡させてしまうケースがニュースでも報道されていますよね。飲酒対策としてアルコール健康障害対策基本法が制定されましたが、その1年後には「自動車運転死傷処罰法」も新たに加わりました。飲酒運転を罰する法律はほかにもありますが、新たに加わった自動車運転死傷処罰法のなかには、「発覚免脱罪」という法律があります。飲酒運転を起こしても事故現場から立ち去り、酒を抜いたあとで現場に戻って通常の事故に見せかける悪質な加害者が多く、そうした"ごまかし"を防ぐために制定されたのが発覚免脱罪です。飲酒の証拠を消して罪を軽くしようとする行為を取り締まる法律というわけです。

万が一、このような行為をした場合は発覚免脱罪が適用され、過失運転致死傷罪も加わり最高で18年の懲役刑を受ける可能性があります。これは飲酒運転に限ったことではなく、ドラッグによる危険運転も同じ。もはや飲酒運転はドラッグの危険運転と同様の扱いというわけです。

■ あなたの周りにもいませんか?

さて、あなたの周りにもアルコール依存の問題を抱えている人はいませんか?もし友人や家族など心当たりがあるのなら、協力して解決してあげることをおすすめします。アルコール健康障害対策基本法にも定められているように、無自覚のアルコール依存者を救済するためには周囲の協力が不可欠となってきます。アルコール依存は健康に害を与えるだけでなく、感覚が麻痺すれば事故や犯罪などトラブルにもつながってしまう危険な習慣です。身近な人で「アルコール依存かもしれない」と思う人がいたら、まずは軽い話からアルコール健康障害対策基本法について意見を交わしてみるのもいいかもしれませんね。

(image by amanaimages)
(著&編集:nanapi編集部)