「そして、誰もいなくなった」
(日曜よる10時30分/日本テレビ/脚本:秦建日子 演出:佐藤東弥 出演:藤原竜也 玉山鉄二 二階堂ふみ 伊野尾慧(Hey! Say! JUMP)ほか)


冒頭、藤堂新一(藤原竜也)は、赤と青の照明が混じりあって怪しい人たちがたくさんいる寺山修司の世界のパチもんみたいなとこに紛れ込む。
そこは、他人の経歴などすべてを売買できる裏社会だった。

今日の最初の「え」が出たとこで、
藤堂の人生売買がはじまる。
生涯給料予測が4億9千万(すごっ!)と発表された彼の人生は、1億2千万で売られてしまう。

・・という夢を見た、藤堂。
客席の2階から落ちても無傷・・ってそりゃ夢だよねえ。

起きると、そこには日下(伊野尾慧〈Hey! Say! JUMP〉)が「醤油ですかソースですか、目玉焼き」とにっこり。塩の選択はないのか・・・というツッコミには数分後に回答が。
「とと姉ちゃん」といい、最近流行っているのかな、視聴者のツッコミ待ちして後で回答するパターン。SNS対応脚本が求められるようになっているのを感じる。

いくつかの掴みのシーンを経て、これまでのお話の回想がわかりやすく入る。既放送分の無料配信も手厚いが、4話から見ても大丈夫。

名まえをなくし、金をなくし、職場をおわれ、婚約者に裏切られ、元婚約者は自殺し、自分の人生をまるごと誰かにのっとられかかり、居場所がどこにもないと思って雨の中捨てられた子犬のようになっていたら、日下(伊野尾慧〈Hey! Say! JUMP〉)に拾われた・・・いわゆる「今ここ」。

仲良く朝ご飯食べながら、藤堂とのなれそめを語る日下。
共同生活苦手なんだけど藤堂さんは平気だから好きなだけいてください、と言ってでかける日下。
なんだ、このふたりのラブい感じは。この釣り餌に関する回答は4話の最後でーー。

はるか(ミムラ)のお葬式@新潟。
斉藤(今野浩喜)と小山内(玉山鉄二)が参列。なんと藤堂の母(黒木瞳)もやって来た。
藤堂のアパートに行きたいと言うので小山内が案内すると、
「そろそろ本当の話をしましょうよ」と切り出すお母さん。
「たとえば、誰かが新一を利用しとしている話とか」と切り込んでいくが・・・。

このとき、お母さんは喪服を脱いで白いブラウスになっている。
小山内は喪服のまま。
白と黒 の対比に意味はあるのか・・・。

ほかにもあやしい餌はたくさんまかれている。
藤堂の会社では課長(ヒロミ)も。
「信じるとか信じないとかそういう考え方自体が嫌いだね」といいことを言うが、ほんとにこのひといい人なのかと疑わしい。でもさすがにこのひとはフェイク過ぎるよなあ。やっぱり完全にいい人に7千ペリカ。
よく、この手のキャラに関して、最後の最後までいい人にするか犯人にするか迷ったという制作裏話を聞くが、このドラマの場合、撮影はもう終わっていると思うので(藤原竜也がすでに他の映画の撮影しているから)、視聴者の反応見て犯人変えることはできないだろうし、ヒロミの役割はいったい・・・。

藤堂はついに偽藤堂(遠藤要)に会いに来て、「人生を買い戻す」と持ちかける。
貯金とお父さんから相続した不動産があるというシン・トウドウ(真・藤堂)。
500万、いや400万はほしいな、って、安いな。夢だと1億円超えてたのに。
でも、この世界にもマーケットは実在していた。

偽藤堂にその業者を教えられて会いに行くシン・トウドウ(真・藤堂)。本日、2回目の「え」は、そこにいた小市慢太郎がバーにいた渋いおじさまだったことが判明した時だった。
「おっそ。思い出すのおっそ」とツッコまれる。

しかもこのおじさまこそがガキの使いだった! 
「おっそ。そんでもってふるっ。そうやってハードボイルドチックに驚くのってめっちゃ古っ。」
藤原竜也を彩る驚き演出にダメ出し。

人生逆張りしているらしいガキの使い。飲んだひととしか仕事しない とか 本名とか偽名とかに興味ない 結局は同じだから とか時々かっこいいことを言う。何かありそうで、でも表向きは軽くてインチキくさい男を小市慢太郎が生き生き演じている。

男に連れて来られたクラブには、五木(志尊惇)がチャラい様子でいた。
会社では猫をかぶっていたらしい後輩を見てショックな藤堂・・・。このへんは「ゆとりですがなにか」的な展開。

3回目の「え」は、早苗と五木がつきあってたことを知ったとき。
「女は基本嘘つきですよ」と年下に言われてしまう藤堂。
ショックなことが矢継ぎ早にあって、また「え」と言ってしまう。藤原竜也は困り顔が似合う男優ナンバー1だ。

さらに藤堂は困る。
斉藤が藤堂を殺そうと襲ってくると、誤って、斉藤のほうが死んでしまうのだ。
それを早苗に見られて、主題歌。
藤堂の「これは事故なんだ、事故」って言い方が、浮気現場を妻に見られた男の動揺みたいだった。

もうお腹いっぱい。4話もそろそろ終わりかなと思うと、ハイライトが満を持して登場。

上半身裸で、日下の部屋にいる藤堂。シャツが血まみれになったのは、このためだったのか。
チャームポイントのあばら骨と薄いウエスト周りと、いい感じにカーブした肩まわりとそれらの骨格を覆うなんだかしっとりしたコラットかロシアンブルーみたいな肌で覆った肉体をがしがし激しく折り曲げながらさらけだす藤原竜也を抱きしめる日下。
パーソナルナンバーをもたない孤独な者同士が見つめあい・・・。
どう考えても釣りだとわかっちゃいけるけど、やめられない。
とはいえ、これ、藤原ウォッチャーとしてはそれほど衝撃ではない。
藤原竜也さん、既に「サンブンノイチ」(14年)で同性に恥ずかしめを受けるシーンもやっているから、美青年に抱きしめられるシーンを演じるくらいは、さほど困らないだろう。
(木俣冬)