ここ一番のデートにはカウンターで寿司デビューしたい。でも、初めてだと値段がいくらかかるかわからなくてちょっと怖い……。

そんなとき、1万円でも十分満足できて、安心して足を運べる寿司店をご紹介しよう。覚えていて損はない、コスパ抜群のカウンター寿司はこちら!



おまかせ15貫(1万円・消費税別)。熟成寿司ならではの、さながら旨み爆弾といった味わいに、しばし言葉を失う
銀座で熟成寿司!なのに1万円!今すぐ予約したくなる『鮨処 やまだ』

銀座


銀座グルメ界で盛り上がりを見せているコリドー街。ビルの3Fの細い通路を進んだ先にある、カウンターがたった8席の知る人ぞ知る店が『鮨処 やまだ』だ。

店主・山田裕介氏が握る絶品の熟成寿司の握りコースが、なんとひとり1万円なのだから驚きだ。ここなら銀座で寿司デビューも怖くない!



艶やかな飴色状に変身したヅケ。いつまでも味わっていたいと思わせる後引く旨みだ

たとえば、この艶めかしく輝くマグロのヅケなら、丁寧に下処理してから冷蔵庫内で14日間も寝かせることで、フレッシュなネタにはない、芳醇な旨みと甘みを引き出している。

小肌や鯵も「うちの自慢は光り物」と山田氏自らが語るように、その熟成の技にかかれば、臭みもなく上品でふくよかな味わいに。口全体に旨みが広がり、余韻が心地よく伸びていく。光り物が苦手な人こそ食べるべきと断言したい。



ふわりと柔らかい穴子は、崩れないよう、山田氏から直接手渡しされる。見るからに繊細な柔肌にうっとり
「この価格帯なら、ほかには負けない」。ほれぼれするような潔さ。

こちらのメニューは「おまかせの15貫1万円(税別)」のみ。美味しい寿司は高い。そんな我々の認識を心地よく、しかしばっさりと裏切ってくれる山田氏。「寿司は経済的に豊かな人たちだけが食べるものじゃない。おまかせで1万円ちょっとなら、毎日は無理でもハレの日に手が届く値段でしょう」と語る。

その値段では信じられないほどネタは極上だ。たとえばマグロの赤身なら、“天身”と呼ばれる背の一番上の部分のみ使用し、あとは破棄してしまうという潔さ。

「金額的にはギリギリですよ」と笑いながらも、「1万円で食べられる店の中では、絶対にほかには負けないはず」と自信を見せる。



大将との会話も楽しく、客の状況を見て絶妙な距離感を保ってくれる。怖がらずOKなカウンター寿司だ。

今や熟成寿司ですっかり有名になったこの店だが、山田氏曰く「もうひとつの看板ネタは、実は貝」。熟成とは真逆の、新鮮さが命となるネタも必食の美味しさだ。

「うちの倍くらいする高級店と変わらないクオリティだと思います。たとえばトリ貝なんて、ほかじゃ一貫1,500円は取られるんじゃないかな」。

この味でこの価格…、予約が取れない人気店だが、遅くまで開いているのもありがたいポイント。夜9時すぎの2回転目なら、当日の飛び込みで入れることも多いと、こっそり教えておこう。


おまかせ握りが8,000円! 秘密にしたくなる渋谷と赤坂の寿司店



¥8,000の握りから選りすぐりの6貫。左から、しっとりとしてほどけるように柔らかな穴子、アオリイカのミミを使った煮イカは半生に仕上げたオリジナル。さっと塩で締め酢洗いした車海老、軽めに昆布締めにしたヒラメ、ほどよく脂がのったソフトな食感のコハダ。自らの舌で納得したものだけを仕入れる本マグロの中トロ ※内容は旬によって変わります。
その道20年のベテランが握る8千円のおまかせ握り『鮨 英』

六本木


仕事をきっちり施した料理ほど、その価値が高くなるのは当然のこと。それは寿司の世界において特に顕著な傾向といえよう。

2015年3月にオープンした『鮨 英(はなぶさ)』は、赤坂にありながら、そんな常識を覆す知る人とぞ知る名店だ。

開きの扉を開ければ檜の清しい香りに包まれる。京壁に網代天井、柱にはこぶしや桜をあしらうなど木をふんだんに用いた店内は数寄屋風の静謐な空間だ。

店主の中島英樹氏はこの道20年の大ベテラン。文化年間から続く江戸前寿司の老舗『美家古鮨本店』でみっちりと伝統の技を習得。この3月に独立を果たした。

「生の魚を切り付けたまま握ることはまずありません。必ず酢飯と合うよう仕事をしています」

との言葉通り、ここでは、海老にしても当節流行の茹でたてを握るのではなく、軽く塩をした後、酢洗い。それも魚介の種類によって白酢や赤酢を使い分ける手間のかけようだ。

昔ながらの技術は受け継ぎつつも、青魚の酢締めは、塩と酢の締め加減は軽くするなど現代の嗜好をふまえたうえで、独自のアレンジを加えている。砂糖を加えず赤酢をブレンドし米の甘みを引き出した酢飯との相性も上々だ。

このクオリティの握りが10カンと名物の鉄火巻がついて8,000円は良心的。秘密にしたい一軒だ。



中落ちをたっぷり巻き込んだ鉄火巻はコースの締め。写真は2人前。季節などによりメニューは異なる。写真はコースの一例



「お刺身の盛り合わせ」は、おまかせコースのおつまみの一品。左から鯵と鯛、本マグロの赤身。鯛はさっと皮を湯引きに仕上げている。季節などによりメニューは異なる。写真はコースの一例




寿司種が持つ味わいを活かすのが信条。小肌や鯛は浅めに〆て
お任せコースは8千円から!フレンチ×寿司『鮨 五徳』

渋谷


「何か面白いことがしたい」それが口癖。店主の上野純平氏は常に意欲的。等々力の寿司屋で12年間修業し、独立前の数カ月間はなんとフレンチ店で研鑽を積む。

酒肴に焼き茄子のムース、蛤のスープサラダなどが揃うのはそんな経験ゆえ。

対して、握りは江戸前の古典的な仕事で勝負。異色だが、調和する、じっくり付き合いたい気鋭の寿司店だ。



白子のバター焼き(小シャリ添え)。器ごとオーブンで焼き上げた一品。そのまま少し食べた後は、シャリを混ぜて



「ほかの店にないつまみを出したくて」とフレンチレストランでも修業した上野純平氏


銀座で8,000円! お財布に優しすぎる江戸前寿司



甘鯛昆布〆めとイカの柚子塩。夜のおまかせは握り中心の「雪」、酒肴を多彩に繰り出す「月」など
野菜×寿司『恵比寿 ほし』

恵比寿


温野菜を西京味噌のソースで味わったり、夏野菜のお浸しをコンソメジュレがけにしたり。

寿司職人として長いキャリアを持つ星廣幸氏が打ち出すのは、野菜料理で和ませつつ、握りも堪能できる独自のスタイル。

「寿司に野菜を加えることで、健康的でより完全な料理が完成する」との氏の持論は、その味で見事に証明されている。



この日はウルイやタラの芽などの山菜を使用



握りの姿も美しい。シャリは福井県鯖江市の天日乾燥米を使用している




旬を盛り込んでもらった、江戸前握り「真味」8,000円。通常はウニが入らず、13貫。職人技が光る江戸前寿司をリーズナブルに楽しめる人気メニュー。
『鮨 からく』

銀座


ランチの海鮮丼でも有名だが、江戸前の「まっとうな寿司」が頂けることで人気の店、銀座『鮨 からく』。

こちらで絶対にお得なのはおまかせの盛り合わせ8,000円。中トロやマグロの漬け、鯛の胡麻和えや玉子焼きなどの定番のほか、季節のネタが色々と盛り込まれたセットだ。

上記のほかにも、初夏が旬のマダコを4〜5時間も煮て仕上げるタコの桜煮、北海道産のバフンウニなども、夏が旬。この時期の美味しさが詰まった宝箱のようなひと皿だ!



一番左から時計回りに穴子、タコの桜煮、アワビ、アジ、鯛の胡麻和え、スズキ。どれも江戸前の仕事ぶりが見た目からも伝わってくる。



産地や種類によって旬が異なるウニだが、濃厚で甘みの強い“赤ウニ系”の中でも味がよく高価なエゾバフンウニは、夏が盛り。