世界の工場として名を馳せた中国だが、その実態は主に安い人件費を背景とした労働集約型の製造業が中心だった。近年は中国製造業も高度化を目指し、産業用ロボット市場の拡大が続いている。(イメージ写真提供:123RF)

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 世界の工場として名を馳せた中国だが、その実態は主に安い人件費を背景とした労働集約型の製造業が中心だった。近年は中国製造業も高度化を目指し、産業用ロボット市場の拡大が続いている。

 産業機械全般の需要が低迷している中国でも、ロボットの需要は好調を保っており、一部報道によれば、日本ロボット工業会は2016年のロボット総出荷額目標を過去最高の7500億円に上方修正している。

 中国の産業用ロボット市場はすでに世界最大だが、それでもまだ日本の製造業とは大きな力の差があるのが現実だ。中国メディアの同花順財経は日本のロボット技術を紹介すると同時に、「日本と中国の製造業には生産性という点で大きな差がある」ことを伝えている。

 記事は中国と日本の製造業における生産効率を比較する例として、掃除機に使用する「紙パック」の生産効率を挙げている。同一製品であっても、中国の工場では31人の作業員が1日あたり5000枚を生産していることを紹介、一方の日本では3人の作業員がロボットによる生産ラインを管理し、毎日1万1000枚を生産していると伝えた。

 31人の作業員が働く中国の工場では1人あたりの生産数は161枚になるが、日本の場合は1人あたり3666枚の計算になる。人間が作る製品にはどうしても品質でばらつきが生じてしまうため、ロスも生じるだろう。ロボットならば画一的な生産が可能であるうえ、人間に比べて圧倒的な速度で生産が可能だ。どちらの生産ラインのほうが企業に多くの利益をもたらすかは一目瞭然だ。

 記事は、日本ではロボットを導入することで、中国の製造業を圧倒的に上回る生産性を実現していることを指摘。中国に比べて人件費が高い日本では、コストを削減し、生産性を向上させるためにロボットが全面的に使用されていることを紹介した。人件費が上昇している中国では、今後はさらに多くの工場がコスト削減を迫られることになるだろう。そうなれば今まで以上に産業用ロボットの導入が加速すると予測され、日本のロボットメーカーにとっては中国の人件費上昇が新たなビジネスチャンスになるかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)